『AV出演被害防止・救済法』(AV新法)の条項について改正を求める「AV産業の適正化を考える会」は、2月23日(金・祝)に“有楽町デモ行進”を開催した。
AV監督で作家の二村ヒトシ氏らを発起人に発足し、紗倉まななどAV女優はじめ、多くの文化人やインフルエンサーが同会の賛同人として名を連ねている同会。
今回の街頭デモや署名活動には、同会の賛同人である人気AV女優やテリー伊藤氏らが参加し、同法の問題点を訴えた。
星乃莉子ら人気女優が街頭で署名活動
2022年6月に施行された「AV新法」が今年6月に見直されるのを前に、同法の問題点を洗い出し、その改正を求める署名活動などを行なっている「AV産業の適正化を考える会」。
同法に規定された撮影禁止期間と公表禁止期間は、初めて撮影する出演者を守るものとしては適切だが、出演を反復継続している出演者の多様な働き方を妨げていること。また、その規定により事業者に過度な規制を課していることが、「職業選択の自由」に基づく「営業の自由」に対する憲法違反に当たるとして声を上げている。
この日、日比谷公園・中幸門を出発したデモ隊に、テリー氏は数寄屋橋交差点付近で合流。デモ隊と一緒に外堀通りを北上した。テリー伊藤と女優たちは銀座西2丁目交差点で宝町・京橋交差点付近へ向かうデモ隊を離れ、JR有楽町駅中央口円形屋根下へ移動。そこで囲み取材に応じた。
デモ行進に加わったテリー氏は、「実はたくさんの人がAV新法に疑問を持っていて、実際にカメラマンなどAV業界の製作には僕の仲間がたくさんいますが、彼らの仕事が減っている。問題のある部分は改正してほしい」とコメント。
弟子にあたるソフト・オン・デマンド創業者の高橋がなり氏とは、この日の朝も連絡を取ったそうで、現在もこうした問題についてもよく意見を交わしているようだ。
「昔と違って今はAVに憧れて入ってくる女性も普通にいるんです。クリエイターとしての意識も高い。先ほど何人かの方たちとお話させていただきましたが、本当にみんなピュアだし、少しでも助けてあげたい」
今回のデモ行進と署名運動には、綾瀬麻衣子、水谷星奈、板垣あずさ、佐々木咲和、金苗希美、八ッ橋さい子、最上一花、吉川はすみん、星乃莉子、志田みずき(敬称略)という10名のAV女優・元AV女優が参加した。
「私がデビューした当時はAV新法の施行直後で、けっこういろんな支障が出ていました」とは、2月10日に秋葉原で行われた署名イベントに続き、今回2回目の参加となった星乃莉子さん。
「AV女優としてはデビュー時期にどれだけ多くの人に知ってもらえるかってすごく重要なこと。告知や宣伝が非常にやりづらくて、思うようにできずに困っています。出演者やスタッフなど現場の声をちゃんと聞いてくれる場を望んでいます」
デモ行進の感想については、「想像以上にたくさんの人たちが足を止めてくれたり、振り向いてくれたりしてくれて。興味を持っていただけた方も多かった印象です」と述べていた。
(取材・文・写真=伊藤 綾)