ボールペンから蘇る青春時代の甘い思い|架乃ゆら昭和コラム「美徳のゆらめき」

昭和大好きAV女優・架乃ゆら連載コラム第12弾

 当コラム「架乃ゆらの美徳のゆらめき」は今回で12回目となり、めでたく連載1年を迎えることになりました!

 ゆらちゃん独自の感性と文体を活かし、毎回、昭和歌謡を熱く語ってくれる姿に本当に感謝しております。

 連載1周年の記念すべき回にピックアップした曲はフィンガー5の名曲『学園天国』。昭和、平成、令和と3世代にわたって歌い継がれるこの名曲を語るまでに、ボールペン→二宮金次郎を通過させるところがゆらちゃんの面白いところ。

 果たして、その2つがどう『学園天国』に導かれるのか、じっくりと読んでください。それでは今回も深海40メートルを息継ぎなしで遠泳する「架乃ゆらコラム」をお楽しみください!

架乃ゆら昭和コラム「美徳のゆらめき#12」

ボールペン1本から、青春時代の甘い思いを想起し『学園天国』の思いを語る|架乃ゆら昭和コラム「美徳のゆらめき」の画像1
誰もが知っている曲からマニアックな曲までゆらちゃん頭の中には多くの曲が詰まっています

 メンズサイゾーをご覧のみなさんこんにちは! S1専属の架乃ゆらです。

 さっそくですが、最近とある悩みを抱えております。

 仕事柄、台本をいただくことが多いのですが、そのたびにボールペンを持ってくればよかった…と後悔することです。気をつけることやその場でスタッフさんが追加で説明してくださることなど書き足しができるし、なにより仕事の説明をするときにぱっとボールペンを取り出したらなんだかめちゃめちゃ仕事出来る雰囲気が出ませんか?

 そう思いあらゆるところでボールペンを購入しては仕事場に持って行き忘れる、というのを幾度となく繰り返しています。

 なんというか、わたしの鞄の中身はだいたい固定化していて、財布や鍵などの貴重品、ポーチの中には目薬とミラーと保湿リップと前髪用に目の荒いクシ、それからハンカチとポケットティッシュ、ワイヤレスイヤホンさえ忘れず外出できれば、たいていは困ることがないのです。

 基本のセットにプラスして、その日の仕事に必要なもの、例えばAV撮影の日だと身分証明書が必須なので入れたり、シャワーセットや現場用スリッパを足してみたり、自分でヘアメイクをする日は顔面が完成するだけの量の化粧品がたっぷり入る大きめのメイクポーチ、ヘアアイロンなどを入れて現場へ向かいます。

 こんなにいろいろ考えて荷物を詰めているのに、いつもボールペンのことだけを忘れてしまうのです。あんなに小さくてどんな隙間にも入るし、気がつけば家を出る直前にポケットにでも突っ込めばよいものを、いつもいつも忘れてしまいます。

 そして、現場でボールペンが必要だなあと思い、帰りに購入し、ホクホクし、そしてまた持って行くのを忘れるという無限ループ…。おかげで年末の大掃除では大量の忘れ去られたボールペンたちが発掘されました。なんて悲しい発掘隊。

 そこでイチから、何故わたしはボールペンを持って行くのを忘れるのか考えてみることにしました。

 まず、ボールペンといえば筆記用具。筆記用具はその名の通り筆記するためのものなので、日常的に筆記をしていればいつ鞄に忍び込んでいても不思議でありません。しかし、わたしは日常的に筆記をしない人間なのです。

 紙のスケジュール帳を使っていたのは学生時代で終わり、いまやパッと入力できて変更もたやすいスケジュールアプリに完全に依存していて、もはや紙に文字を書き込むということは領収書の名前を書く時以外皆無となっています。

 なので日頃からボールペンとは馴染みがなく、仕事現場に持っていくという発想が一切ないのでしょう。

ボールペン1本から、青春時代の甘い思いを想起し『学園天国』の思いを語る|架乃ゆら昭和コラム「美徳のゆらめき」の画像2
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 ふたつ目に、仕事用の鞄というのを持っていないことです。

 クローゼットに鞄はいくつかあれど、その日、その日の格好や用途に合わせて鞄をいろいろ変えているので、たとえ仕事用だとしても同じ鞄をヘビロテするということはありません。

 愛用している黒いリュックサックは容量があるので仕事用でも使いますし、ジムに行くときにもスニーカーやトレーニング用の手袋、プロテインなど入れても余裕なので仕事じゃないときにもよーく使っています。

 そうでなくても、前日から鞄の中身を一切変えないというのはなんだか落ち着かなく、いくら終わるのが遅くても帰宅したら必ず鞄をひっくり返して中身を全て出し、翌日にいるものいらないもので仕分け、ハンカチは交換し、また入れ直すということをやらないと何故だか気が済まないんです。

 と、ボールペンを持ち歩けない理由を整理すると解決方法が判明いたしました。日頃から筆記をすること、仕事用の鞄を用意すること、です。なかなか難易度が高い…。

 海外の女優さんが鞄の中身を紹介している動画を見るのが好きなのですが、みなさんこぞってノートとペンが入っています。何に使うのかとギョッとすると、またまたみなさんこぞって「心に響く言葉や、いいなと思ったワードをメモしている」と言います。なんだその用途!

 わたしなんぞは面白いなと思ったことはすぐSNSに載せたり写真を撮ってニヤニヤしたりと、思い返すと即アウトプットしています。琴線に触れたものをしばらく留めるといったことをそういえばしたことがないな〜。しかし、こういったステキなルーティンを無理矢理に作ればわたしにも筆記が日常になります!

 そして、仕事用の鞄をひとつ用意してみようかな。でもこれがなかなか難しい!

 先ほどいろいろ説明したとおり、その日の仕事内容によって持っていく荷物は変わるため、荷物の量も日々変わるのです。

 こんなフレキシブルな対応ができる鞄、といえばわたしには風呂敷しか思いつきません。ということでボールペンを持ち歩くために、琴線に触れた言葉を綴るためのノートを片手に風呂敷を背負い仕事現場へ赴くことにします。その姿はまさしく令和の二宮金次郎。

 二宮金次郎といえば、勉学に励む姿を子どもらに見せ、鑑とするためにあらゆる小学校に設置されていますね。ふと気になっていつから設置されたのか調べたところ、昭和3年からだそうです。つまり昭和の時代に小学校へ通っていた少年少女たちは日々、二宮金次郎像を眺めていたということになります。

 昭和の小学校、と聞くとわたしはフィンガー5の『学園天国』を思い浮かべてしまいます。1974年リリースの言わずと知れた大ヒット曲です。

 のっけから四男・晃の超ハイトーンが響くとってもアメリカンでロカビリーでロックで、そのくせおませでかわいいインパクトがあります。「このクラスで一番の美人の隣を」クラス全員が命懸けで狙っていて、類に漏れず「この僕」もクラスで一番の美人の隣の席を虎視眈々と狙っています。

 「もしダメならこの僕はもうグレちまう」ほどに! いまや忘れ切ってしまっていた学生時代の席替えのトキメキ。わたしにもかつてど〜しても隣になりたかった男の子がいたものです。『ちゃお』だか『りぼん』だかのモノクロページにあった信憑性のないおまじないを真剣に実行し、指の血管が止まるほど手をぐっと組んで天にお願いをしていた頃もありました…。

 いまや二宮金次郎像はながらスマホを想起させてしまうため撤去されているそうです。フィンガー5も解散し、わたしは電車でだれかが隣に座るたびパーソナルスペースを侵略された気になりちょっとしたストレスが溜まり続けています。

ボールペン1本から、青春時代の甘い思いを想起し『学園天国』の思いを語る|架乃ゆら昭和コラム「美徳のゆらめき」の画像3
連載当初の架乃ゆらちゃん

 この時期は空気も乾燥していますし寒くて気がめげそうになる日々が続きますが、たまにはお部屋で一人『学園天国』を大音量で流し、無邪気なリズムに身を任せてふりふりダンスをしてみるのも悪くはないはず。

 今回のコラムはこのへんで終わります。また次回もよろしくお願いします!

【架乃ゆら(KANO YURA)】
身長:156cm
スリーサイズ:B84(D)・W55・H86
生年月日:1998年12月28日
趣味・特技:昭和歌謡、特撮ヒーロー鑑賞
ツイッター:@kano_yura
インスタグラム:@kano__yura
公式ブログ:架乃ゆらオフィシャルブログ
YouTube:かのちゃんねる

(写真・構成=神楽坂文人Twitter@kagurazakabunji

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