隔たりセックスコラム連載「ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#3」
隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。 |
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目を強く閉じているから、眉間にシワができている。そんな真知子さんの歪んだ表情を見て、動きを止めざるをえなかった。モノの先端、亀頭だけがアソコの中に入っている。
顔から視線を下ろすと、茶色い瞳をふたつ持った顔があってドキリとした。冷静に見ると、それは顔ではなかなった。茶色い瞳は両胸の乳首であった。一瞬でも乳首を目と思ってしまうなんて、心が不安で敏感になっている証拠であった。
薄暗い部屋に浮かぶ、真っ白な真知子さんの裸体。一番目を引く、なめらかなふたつの膨らみ。その頂上にある茶色い乳輪と、豆のように丸くて小さな乳首を見つめる。
久しぶりなの、という真知子さんの言葉を思い出す。
この乳首を男に見せたのも久しぶりなのだろうか。そう思いながら、再び視線を下ろす。モノの先端だけを受け入れているアソコには、毛がまったく生えていなかった。
セックスをしていなくても、女性は下の毛を処理するものなのだろうか。
いや、昔セックスをしていた時に脱毛を済ませていたのかもしれない。僕は女性のことがよくわからないから、アソコの脱毛イコールセックスをするため、という方程式しか思い浮かばなかった。
「真知子さん、どう?」
「ちょっと痛いかも」
「そうだね。すごくキツい」
アソコの毛を処理しているから、真知子さんは嘘をついてるのかもしれない。そう思ったが、アソコのキツさは確かに久しぶりのセックスなのだということを証明していた。
「これはどうかな?」
少しだけモノを引いて、そしてゆっくりと亀が歩くような遅いスピードでモノを入れていく。
「ん…やっぱりちょっと痛いかも」
真知子さんの言う通り、これは痛いだろうということがモノの先端から伝わってきた。アソコの中がものすごく狭くて、その先に空洞があるという感じがまったくしなかった。このまま入れてしまえば、何かを無理やり突き破ってしまいそうな恐怖感があった。
「一回抜こうか」
「うん…ごめんね」
「謝らないで大丈夫だよ」
「でも」
「少し入っただけでも幸せだよ。少しでも真知子さんと繋がれたってことだし」
セックスをしたいという欲望よりも、女性が痛がる姿を見たくない。それは自分のセックスしたいという欲望と、女性の快楽が対等であってほしいと思っているからだ。だから必然的に、女性の気持ちを優先してしまう。
今まではその後にいつも後悔がつきまとっていた。もっと攻めても良かったんじゃないか。一度きりの関係なら強引にしても良かったのではないか、と。今日もおそらくそんなふうに「無理やりでも奥まで入れておけばよかったかな」なんて後悔するのかもしれないけど、やっぱり真知子さんの痛がる姿はあまり見たくない。
痛くないように確認しながら、モノを抜いてアソコに重ねた。そして覆いかぶさってキスをしながら、ゆっくりと腰を振る。
「あっ」
「痛かった?」
「ううん。これは大丈夫」
「これ、素股って言うんだ」
「素股」
反り上がったモノと濡れたアソコが絡まり合い、クチュクチュと音が鳴る。それと同じくらいの濃密度で、舌と舌が激しく絡まり合う。
真知子さんの舌の動きはものすごく優しい。程良く力も抜けていて、とても気持ち良かった。キスの相性がいいのかもしれない、と直感的に思う。それくらい、ずっとしていたいキスだった。
いつだったか、とある女性に「キスで体の相性がわかる」と言われたことがあった。その理論で言えば、僕と真知子さんの体の相性は良いということになる。そう考えてしまうともう一度挿入してみたいと思うが、同時に、相性の良い体ならなおさら大事にしたいとも思う。ちなみに、その女性からはキスの相性が良いと言われたが、結局挿入まではいかなかった。だから、僕は実感としてその理論が当たっているのかはわかっていないのだが。
「真知子さん」
「ん?」
唇を離したら目が合った。やはり確かめてみたい、という思いがわずかにある。それは無視できそうになかった。
「もう一回だけ、挑戦してみていいかな?」
「うん…」
素股をやめ、モノをアソコに当てた。そして真知子さんの反応を確認しながらゆっくりと挿入していく。
「ん…」
濡れているはずなのに、壁に押し付けているような感覚だった。その先に進んだとしても、またもう一枚壁が出てくる。ゆっくりとしたスピードじゃ、入る気がしない。
いっそのこと、思い切って勢いよく挿入してみようか。
しかし、真知子さんの顔を見ると、そんな想いはあっけなく萎んだ。真知子さんは目をつぶって痛みをこらえながら受け入れようとしてくれている。その一生懸命さに「なぜ入らないんだ」という怒りは湧いてこない。それは、出会ってからずっと真知子さんが優しかったということもあるだろう。そんな真知子さんを傷つけたくない。
「まだ痛いかな?」
モノが半分ほど入ったタイミングで聞く。
「うん…やっぱりどうしても痛いかも」
「じゃあ、これはどう?」
先端だけを出し入れしてみる。
「これも痛いかな?」
「うん…痛い」
「このままずっと入れたままは?」
「痛いかな…一回抜いて欲しいかも」
言われた通りにモノを抜くと、真知子さんは上体を起こし「ごめんなさい」と謝ってきた。「大丈夫だよ」と笑顔で返すが、心は昨日のことが蘇って不安になる。
ここまできてセックスできないのは悲しい。昨日もそうだった。もうあんな想いはしたくない。
けれども、痛みを感じたままのセックスなんてもっとしたくない。セックスが苦痛になってしまう。セックスはもっと、幸福を感じるものではないのか。そういった両方の想いが混じり合って、真知子さんになんと声をかけたらいいかわからなかった。
なんの濁りもない、キスして、体を触り合って、挿入する、という滑らかな流れでのセックスができない。どうしていつも、セックスの前には乗り越えなければならない障害があるのだろうか。
キスをしても、フェラをしてもらっても、セックスができなかったことが何回もある。昨日もホテルに行ったのにセックスできなかった。お互いが満足するようなセックスに辿り着くのは、なぜこんなにも難しいのか。
「隔たりくん、入れたかったよね…」
苦悩が顔に出てしまっていたのか、真知子さんが心配そうにこちらを見る。
「いや、全然大丈夫だよ。真知子さんが痛い思いをしてまでセックスしたくないから」
「でも…」
「今は痛くない? 大丈夫?」
手を真知子さんのお腹に当て、さする。
「少しジンジンするけど大丈夫。ありがとう」
「それならよかった」
モノからゴムを外し、ゴミ箱に捨てた。ゴムから解放されたモノがだらりと垂れる。完全に勃起しきっていない、でも萎みきっていないその中途半端さが、僕の心を表してる気がした。
モノを洗うためにシャワーに行こうと立ち上がった時、真知子さんの手がモノに触れた。優しさに溢れた目でこちらを見る。
「隔たりくんイけなかったから、舐めた方がいいよね?」
「えっ」
「なんだか申し訳なくて」
泣いてしまうのではないか、と思ってしまうほど不安そうな顔の真知子さんを見て、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。そんな顔をしなくて大丈夫だよ、真知子さん。久しぶりのセックスだから、こうなることはしょうがない。それは、あなたが反省するものではない。