No1風俗嬢が教える風俗を楽しむコツ｜マリン店蝶インタビュー・中編

フーゾクには女の子の数だけNo.１がある。そんな女のコたちの、普段は見れない素顔やモチベーションを探る《フーゾクNo.１ガール》

お客さんの要望に向き合うランキングNo.１　吉原　マリン

【女のコデータ】
マリン
サイズ：T153cm　B92(G）・W58・H86
店キャリア：10ヶ月
風俗キャリア：10年＋α
得意技：マット
他：コスプレ、イメージプレイ、他応相談
公式Instagram＠marin_hoshi

【店データ】
吉原　ソープランド『グレイシーズ』
TEL 03-6240-6586
営業時間　７時～24時
システム　総額50分1万4000円～
URL：https://www.cityheaven.net/tokyo/A1311/A131101/y-glaces/

マニアックなリクエストにもできる限り応えている店蝶・マリンさん。でも、いくら要望どおりにやっても「なんか違う」と思ってしまうお客さんとのすれ違いを感じるときも。どうすればもっと風俗を楽しめるのか、店蝶はどう解決していく？

前編から続く。

――マリンさん的にはそういうお客さんは、どうすればもっと満足できると思いますか？　お客さんと事前にコミュニケーションを取っていても、それでもすれ違いが起きるって言うのは。

マリン：そうなの、それが難しいところなんですよ。

――お客さんが欲張りすぎなんですかね？

マリン：それ全部やってあげてそれで、「願望が叶えられて嬉しい」ってリピートしてくれるんだったらいいんですよ。でもそれが、「60分で6回やりたい」とかだと、もう大きくして入れての繰り返しじゃないですか。それをお客さんが納得してるならいいんですけど…。

「一度やってみたかった」的なお客さんがやってはみたもののあんまり満足できなかったのか、「回数無制限もあまり良くないですね」って帰って行ったりすると、「せっかく一生懸命やったのに、なんかごめん」みたいな…。

――「やってみたけどイケなかった！」みたいなYouTuberみたいな感じなのかな（笑）。

マリン：それだったらお客さんにリクエストされても、「そうすると慌ただしくなっちゃいますよ」って自分のやり方をある程度押し付ける方がいいのかっていうと、それもまた違うかなって…。

「何でこのコ言ったことをやってくれないんだろう」って思うだろうし。でも、言われたことを全部やったとしても、「なんか違う」って思う人もいるんです。もう少しなんて言うか「今日はこれができたから良しとしよう」って考えてほしいかな。「なんか今日は失敗した」って思うことないですか!?

――う～ん、ボクも昔はあったかな～。お願いしたタイプと違ってたり、「あれやってくれなかった」とか…。でも、「あのコはできても私にはできない」っていうのが人間だし、顔もスタイルもプレイも好みにパーフェクトにマッチした女のコなんて見つけられたら…。

マリン：運命の出会いですよね!?　もうちょっと大きな心で見てもらった方がお客さん自身の満足感も高まるんじゃないかなって。

　予想してたよりかわいいコが出てきても会話が合わないとかプレイが合わないとかで、最終的に「なんか違った」ってなっちゃう前に、「よし、今日はラッキーだ！」って積極的に楽しんでもらえたらもっと楽しくなるんじゃないかな。

――せっかく安くないお金を払って遊ぶんだから、こっち側も楽しもうとする方が得だと思うんだけどな。

マリン：笑顔で帰る方はもちろんたくさんいらっしゃるんですよ。女のコとして嬉しいのは、「今日来てよかった。楽しかった」って言われることなんですよ。

――それは終わった後じゃないですか。最初から女のコを嬉しい気分にさせるような客としてのテクニックって何かありますか？

マリン：そうね、最初に会うときかな。初対面のお客さんってどんな人か分からないからこっちも緊張するんですよ。お客さんも緊張して喋れない人もいて、でも少しでもニコッとして、「あ、よかった」っていう一言。「指名して良かった」とか、「かわいい子でよかった」って言われると気分がぜんぜん違いますよね、緊張もほぐれるし。

　お客さんの中には、しゃべりかけてるのに無反応だったりする人もいるんですよ。私が気に入らないのかな、機嫌が悪いのかなと思ったら最後に、「すごい緊張してた」っていう人もいるんですけど、わからないじゃないですかこっちとしては。

「私じゃない方が良かったのかな」って思いながらビクビク接客することになるんですよ。実際、「写真と違う」ってアンケートは多いです。

――今は多少なりとも必ず加工してますからね（笑）。

マリン：そうなんです。昔は加工なんてなかったからそんなこと言ってくる人もあまりいなかったんですよ、ポラロイドやフィルムカメラの写真だったから。でも今はそれができちゃう時代ですから（笑）。厳しく突っ込むより女のコの気分をよくした方が絶対サービス良くなって楽しめると思うんですけど。でも最近、緊張感ある人が多いのも事実です。

――どういう部分で感じますか？

マリン：昔はそんなお客さんいなかったと思うんですけど、たぶん以前〝なめられたくない〟とか〝サービスを良くしてもらいたい〟と思ってイイ人を演じて手抜きされたことがあるんじゃないかしら。お客さんがニコニコしていると喋るだけで終わっちゃう女のコとか実際にいたからどっちもどっちなんですけどね。言ったもん勝ちっていう風潮があるじゃないですか。

　それに今は病院とかでもアンケートとるけど、結構細かく評価項目ありますよね。昔のアンケートって大雑把で、よっぽど悪くない限りは90点とか100点だったじゃないですか。それが今やみんな総評論家みたいな感じで、ラーメンでもなんでも口コミや点数つけるのが普通になってきてる。イヤっていうわけじゃないけど、お店側は常に評価されてる気分になりますね。

――あのサイトのせいかな（笑）。

マリン：（笑）でも、相手の女のコがバッチリ好みのタイプだったりすると低評価にはならないんでしょうけど、思ってたのと少しでも違うとすごい低評価になる気がする。

　それに、意外な人が意外な評価を付けるのがこの業界あるあるなんですけど悲しいですよ。だってすごいいい人で、「また来るね」とか言って超イイ笑顔で帰っていったのに、口コミとかアンケート見ると評価低くて、「こんなこと思ってたんだ!?」って愕然としちゃうときあります。そういう人は二度と来ないんでしょうけど。

――女のコと一緒にいる時は一般人だったのに、アンケート用紙見た瞬間に評論家魂が覚醒しちゃうのかな（笑）。じゃあ、女のコにとってイヤなお客さんっていうのはどういうタイプですか？

マリン：イヤなお客さんていうのはいないけど、やりにくいとか気が合わないという人はたまにいます。やっぱり女のコのタイプで「あ、違う」と思われたらもう何やってもなかなか取り返せないです。

――それはフリーのお客さんってこと？

マリン：フリーの人はそんなことはあまりないんです。本指のお客様ももちろんない。一番多いのはネット指名のお客さん。特に、1年も2年も前から気になってずっとSNSを見てくれてたって人は、お客さんの中に私のキャラがすでに作り上げられちゃってて、実際の私の声やキャラが自分の中のキャラと違うとそこですれ違いが起きちゃうみたい。

――マリンさんの場合、どんな風なキャラ設定して遊びに来るお客さんが多いですか？

マリン：頭の中のことなんで詳しくはわかりませんけど、たぶんアニメっぽいキャラを想像してくる人が多いんじゃないかな。会った瞬間に、「声低いね」って言われます（笑）。あと、これはホントによくあるんだけど、プロフィールに身長153センチって書いてあるのに、「思ったより背が低いね」とも言われます。

――あ、すみません、それはボクも思いました(汗)。

マリン：え～！（笑）。あと私、トライアスロンをやってるんですよ。それをTwitterや写メ日記にも載せてるので、もっとこう細身…？　アスリートみたいな感じと思ったら意外とポッチャリしてるなって（笑）。だから、そういうイメージを固定化しちゃう前にお会いできると嬉しいですよね。

――じゃあ、ボクがTwitterでフォローしてるイメクラのオキニも、ひょっとしたら全然キャラが違うかもしれないってことですね（笑）。

マリン：そうですよ（笑）。期待が大きいほど女のコにとってはプレッシャーなんですよ。せっかく会いに来てくれたのに、その後ブロックされることもあるし。

――えっ、そんなことも!?

マリン：会うまでは何回も何回もメールくれてたのに、「ありがとうございました」って送っても返事もくれないことも。まあ、お客さんが抱いてた夢を壊しちゃったので仕方ないっていえば仕方ないんですけどね（笑）。

――そんな…。

マリン：私はお互いがどんな人かわからなくて探り探りなサービスで終わらせたくないんです。それで、事前にコミニュケーションとってどんなことをしたいのか相談したくて始めたSNSなんですけど。もちろんやってよかったっていうときの方が多いですけど、逆に夢見させすぎちゃってる時もあるのかなって…。

――逆効果になっちゃってる？

マリン：う～んどうなのかな…。でも、プレイの役に立ってるのは事実。お客さんも初めての女のコに、「こんなことしたい」って言えない人が多いじゃないですか。例えば1回か２回でおわっちゃった時、帰り際に、「本当は3回やりたかったんだ」って言われるとお互い悲しいから、先に知っといた方がいいじゃないですか。これは他の女のコも言ってましたね。

　だからうちの店はLINEとかで事前のプレリクエストを受け付けてるし、新規の人はボーイさんが何回戦やりたいかと、マットをやるかやらないかだけアンケート取ってます。

　でも、リクエストが多いと頭の中で、「あとなんだっけ？」ってパニクっちゃうこともあるので。だから、だいたいの回数を教えてくれるとイイかな。

――３回やりたいと思ってても、１回出しちゃってその後続かなくなっちゃう人とかだと、後半時間余っちゃいませんか？

マリン：それはよくあります。あとになって、「俺は１回をなかなか出さないように攻めて欲しかった」って言われてももうできないじゃないですか。だからこそ、そういうのが最初に分かっていればゆっくり攻めてあげられたのになって…。多分お客さんとしては言わなくても分かってほしいと思ってるんでしょうけど。

――みんな口に出すのが恥ずかしいのかな。テレパシーかBluetoothかなんかで伝わる時代になると不可能じゃないですね（笑）。

マリン：リピーターの人はわかってるからいいんですよ。でも、初回のお客さんは言ってくれないとわからないですからね。

　さっきも言ったけど、例えば60分で入ったら普通は１回か２回。でも中には、「3回とかもっとやりたい、マットもやりたい」っていうお客さんもいるんですよ。その場合は事前に相談してくれないと女のコのペースで進んじゃいますからね。

　今は事前に「こういうことって出来ますか？」って聞ける時代なので、そういう女のコに入れば楽しく遊んでいただけると思います。

――では、マリンさん的にはお客さんはどうすればもっと風俗を楽しめると思いますか？

マリン：それはやっぱり自分の身体や性癖をよく知ること。

――そこですか（笑）。

マリン：（笑）乳首が感じるとか感じないとか、「オレ、チ●コしか感じないんだよ」とか、どんなことをすれば楽しいのかを知ってほしいです。遊び慣れてるお客さんだと、「今日はぽっちゃりの子がイイな」とか、「ハードサービスでヘロヘロにしてもらおう」とか、自分でその日のコンディションを感じ取ってプランを立てられるんですよ。

――ハンバーグ食べたかったらレストランに入って、デミグラスハンバーグなりイタリアンハンバーグなりを選ぶのと同じてことですね。自分はどんな遊びをしたいのか理解して該当する店に行く。ハンバーグ食べたかったのにラーメン食って、「なんか違う」って言っても当たり前というか…。

マリン：そうなんですよ。それと女のコと会って、写真と少し違うなと思っても、「おしゃべりが楽しそうだから1回終わったら話してみよっかな」とか、その時その時で「今日はこんな感じでいいや」っていう柔軟性をもってもらうことですね。

――要するに、自分のチンチンがやりたいことを感じとって、柔軟性のある思考で遊びに行くと。

マリン：そうです。でも、実際には自分の好みがわからないって人も多いんですけどね。

――それよく聞きますけどボクからしたら不思議なんですけどね。AVを見る時選ぶ女のコはどんな感じなのか、自分の身体をさわってどこが感じるのか、オナニーする時AVのどんなシーンで発射しちゃうのか、どんな妄想しながらシコるのか、その辺を考えてみればわかると思うんだけど…。

マリン：だから私はリクエストの多い例を時々写メ日記に載せているんです。その中から選んでるうちに自分の好みもわかってくるかなって。

　でも、リクエストすればいいってもんでもなくて、例えば、前にきたストーリープレイのお客さんは未亡人プレイをやって欲しくて、ワンピースとかソックスとか全部トータルコーディネートで買ってきてくれたんだけど、台本がめっちゃ長かったんです。

　旦那が事故っちゃって散歩に出かけてる時にたまたま奥さんと会う、それが案内の時でみたいなストーリーなんですけど、台本覚えられなくて何回も何回も読んだんですよ。で、未亡人だし設定が暗かったから私もあまり喋らないでいたのね。

　そしたら終わったあとに、「あんまり喋んないコなんだね」って。「え!?」みたいな。結構真剣に未亡人役を演じていたつもりだったんだけど…。

――監督からしたら台本読みきれてないみたいな（笑）。

マリン：そうそう、行間を読みきれてないってことなのかなあ。言われたことをやればいいってもんじゃないって思っちゃいました（笑）。

　お客さんがプラン立てられる人だったらいいんです。120分とか80分ってどれくらいの尺があるのか、何回も来てる人は、「この時間でこれしてこれだと時間なくなるちゃうから」ってわかるんだけど、わからない人も多いんですよ。

　お客さんによっては案内で会った時に、「いっぱいメールしてリクエストしちゃってすいません」って謝る人もいるんですよ。書いてる時がやっぱり一番楽しくて盛り上がっちゃうみたい。それで送った後で我に返って…。

「あんなに書いちゃったんですけど全部はやらなくていいですから」っていう人もいるし、「可能な限りでお願いします」って人もいる。最近ちょっとそれが増えてきたかな。

　いろんなお店でリクエストできるコが増えてきてるから、もしかしてあれもこれもとか言って、「そんなに出来ません」って言われちゃったのかも。

――タイムスケジュール的なことが理解できてきたってことかな。

マリン：逆にテキパキと要領よくあれもこれもできちゃうお姉さんがいるのかもしれないですね。

――そうすると作業ぽくなっちゃわないかな。

マリン：そうなんですよ。キスしたり抱きついたりしてる時間が短くなっちゃう。まあそれもやり方なんだろうなあ。「じゃあ次これやろっか」じゃなくて、そのストーリーの中でやってほしいんでしょうね。それが私の中では箇条書きの項目になっちゃってるから（笑）。

　だから接客しながら、「あ、これやってない」ってなる。ホワイトボードに書きたいぐらいよね、「パイズリ」とか「潮吹き」とか（笑）。でもそこまで書く割には「何か抜けてもいい」っていう人もいれば、「これやらなくて終わった」って言う人もいますし…。

　男と女の間に流れる深くて暗い川はどうすれば埋められるのか!?　お客さんの要望に応えようとすればするほど川幅は広がって行く気がする。果たして川は渡れるのか、後編へ続く!!

〈文・撮影＝松本雷太Twitter@raitama36〉