エロゲーに限ったことではないが、ゲームというのはRPGやシューティングといったゲームそのもののジャンル以外に、「泣きゲー」「鬱ゲー」など、ユーザーの感性に頼ったジャンルが存在し、その中に「バカゲー」というものがある。
バカゲーとは何かというと、ニコニコ大百科の言葉を借りれば「なんというか、バカとしか言いようがないゲームである」のことだ。この説明が全てである。
似たような言葉で「クソゲー」が存在するが、これは全く似て非なるものだ。クソゲーは本当にゲームの内容、システムがゴミでしかないようなゲームを指して非難の対象であることが多いのだが、バカゲーはどちらかというと褒め言葉だ。
ただ、バカゲーと称されるゲームは、かなり個性が強いのでユーザーの好みがはっきりと分かれるので、万人受けとならないことが多い。業界的にはヒット作になりづらいそうだ。
しかし、そんなバカゲーでも大ヒットを記録したエロゲーがある。それが、超異色作『Theガッツ!』である。
何が超異色かというと、ヒロインが北斗の拳に出てきてもおかしくないほどに筋肉モリモリの“漢(おとこ)”キャラなのだ。この斜め上の設定は、1999年の発売当時、ユーザーだけでなく業界にも大きな衝撃と動揺与えた。しかしその振り切った設定が受け、計6本ものソフトが制作されるという人気シリーズとなった。2005年にはミルキーズピクチャーズによってエロアニメ化もされた。
以下があらすじである。
好きだった女の子に「頼りない」という理由でフラれた秋俊は、体が鍛えられてお金ももらえるという安易な考えで建築現場でのアルバイトを始める。
しかしその会社はタカさんこと高原美奈子を筆頭に、性別を完全に超越した個性的な女性ばかりだった。
肉食女子たちによるセックスと射精の試練が秋俊に毎日のように襲い掛かる。それに必死になって秋俊は応えていくのだが、徐々にこのままでいいのかという疑念が湧く。
秋俊はバイトを辞めようかどうかまで追い込まれる。その苦悩を察知したタカさんが秋俊に与えたアドバイスとは……。
エロアニメ版『Theガッツ!』は上下2巻構成となっている。原作に沿って話が展開していくが、どういうわけか体力測定としてセックスに突入したり、走ってきた事務員の女の子とぶつかって69になったりと、とにかくアホな展開ばかりだ。エロアニメというより、ギャグアニメだ。ギャグの合間にエロがあるといえば良いだろうか。
やはり注目はヒロインの“タカさん”こと高原美奈子だろう。全盛期のブル中野や神取忍などの女子プロレスラーが束になっても敵わなそうなほど、屈強の肉体の持ち主である。身長は189cm。なんと、あの“鉄人”小橋建太よりもデカい。
しかし性格はいたって真面目で男前だ。しかしそこがいちいちコミカルで、「勃起チンポ見せられて、それに応えないってのは、あたしの流儀に反するからな」と主人公とセックスしだしたりするから笑えてしまう。
効果音も面白い。「デデン!」と太鼓が鳴ったり、「いよぉ~っ!」と合いの手が入ったりと、芸が非常に細かいのだ。
2005年リリースの作品だし、原作にいたっては1999年なので、キャラデザや世界観が古かったりするのだが、OLや僕っ娘など見た目は普通の子たちとのエロシーンが多く、意外と実用性は高い。筋骨隆々はタカさんだけである。
それでもギャグアニメにエロが加わった感は否めないが、とにかくバカバカしさに振り切っているので観ていて面白い。強くお勧めできる作品だ。
(文=穴リスト猫)
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■THE ガッツ! Vol.1 復刻版
■THE ガッツ! Vol.2 復刻版