昭和大好きAV女優・架乃ゆら連載コラム第4弾!
「昭和」が大好きな大人気セクシー女優の架乃ゆらちゃんの大好評コラム第4弾! 昭和歌謡、純喫茶、特撮作品、古着など古き良き「昭和」時代のカルチャーが大好きで、造詣が深い彼女が、その圧倒的な熱量を原稿に向け、自身が推す昭和カルチャーを独自に解説してくれている。
今回のテーマは季節柄、ずばり「雨」。テーマは同じだが、恋人を失った主人公の心情が両極端な楽曲を2曲選び、聴き比べてみた架乃ゆらちゃん。あなたならどちらの主人公に思いを寄せるのだろうか?
それでは「架乃ゆら昭和コラム・美徳のゆらめき」をお楽しみください!
雨音は架乃ゆらの調べ
メンズサイゾーをご覧のみなさんこんにちは!
S1専属女優の架乃ゆらです。
雨の降る日のほうが晴れの日よりも多い気がするここ最近ですね。まだ関東は梅雨入りしていないのでしょうが、日本各地で梅雨入りを迎えるニュースを見るたびに湿気でうねる前髪のことを考えては気が重くなります。
わたしは元々、晴れ女でありまして、番組ロケの日は基本快晴、写真集ロケも行きで曇っていても現場に着いた途端、雲が避けて太陽が出てきたり、天気予報で傘マークがあっても当日はカラッと晴れるなど正真正銘の晴れ女なんです。
が、そんな晴れ女パワーも梅雨の前には無力。朝起きて窓の外が薄暗いと気分もどんよりとしてしまいます。精神的なものだけでなくわたしは猫っ毛、癖毛のまさに湿気が天敵な髪質をしていまして、少しでも髪が湿気を感知すると鬼太郎よろしくピンとはねたり、うねったり、ただでさえボリュームのない髪がぺたぺたに頭皮に沿ってしまい、よりボリュームのない髪になってしまいます。
もう、そうなったら手の施しようがないので、許される限り全ての髪を帽子にしまい込んで、全ての湿気を呪う表情で外出するほかありません。また、髪だけでなくその下の頭も雨の日には弱く、低気圧になると頭痛がする体質で、頭痛で天気予報ができるほど確実な雨レーダーの働きをしてくれます。
こういったように雨の日はなにもかもの調子が悪くダメダメな状態になってしまうのですが、それでも雨の日が嫌いになれない理由がふたつあります。
まずひとつ目は休みの日に家に引きこもる時、雨が降っていると一切の罪悪感がないからです。
元々引きこもり体質で外に出て危険な目に遭うより、家にいてぬくぬくと過ごすほうが良いという賢明な考え方の持ち主なのですが、それでも窓の外がピンピンの快晴だと「今、外に出て働いてる人もいるんだよな…」や、「普通の人は今、外に出てオシャレなカフェでも行ってるんだろうな…」など、ネガティブな発想がふつふつと湧いてきて、せっかくの休日なのに悶々と過ごしてしまうのですが、それが雨だと「こんな雨の日に家にいるわたしはなんて賢明なんだろうか」、「雨の日に外出すると靴や鞄が濡れて帰宅するけど、家にいるとなにも濡れずに安心して過ごせる。なんて素晴らしいんだ!」とひとり嬉しくお茶など沸かしながら小躍りしてしまいます。
そしてもうひとつの理由として、あまのじゃくだからです。つまり、雨の日は憂鬱でイヤだなあと多くの人が思えば思うほど、わたしは逆にうきうきになってしまうのです。アニメの悪役が人々の負のパワーでパワーアップするあのシステムに近いです。
というわけで、雨に唄えばではないですが、雨の日は絶不調かつ絶好調なわたしです。今年の梅雨も自分なりにたくさん楽しみたいです!
それでは今回も昭和歌謡について熱く語ろうと思います!
今回のテーマは前半の話題にちなんで雨の日の昭和歌謡です。
歌謡曲に欠かせない要素のひとつとして「情念」があるとわたしは考えますが、その情念をより強く演出するのは晴れの日より雨の日だと思います。
街が泣いているような、心が泣いているような、傘で人と心の距離があるような、そもそも傘がなくて濡れたまま立ち尽くしたり、そんな切なくて少しエロティックな表現にぴったりですよね。
まずは中村雅俊さんの『恋人も濡れる街角』です。
1982年にリリースされた17枚目のシングル曲で、映画『蒲田行進曲』の主題歌でもあります。作詞作曲はサザンオールスターズの桑田佳祐さんが担当しており、歌詞の中にも“YOKOHAMA”や“港の町”など茅ヶ崎っぽさが香っています。
非常にしっとりとしたムーディな曲調に中村雅俊さんのダンディすぎる美声で非常に危うい歌詞が飛んでくる刺激的なつくりなのですが、内容としては一夜限りの男女の関係を結んだ男性が、女性を忘れられず淡い恋心のようで不純な感情のようなものを抱えて揺れ動くといった感じです。
わたしはこういった女々しい楽曲が本当に好きで、本来のいわゆる男性らしい強さや頼りがいのある感じとは真逆な姿がセクシーで魅力的に感じます。きっとこの曲の主人公は中村雅俊さんのようにセクシー&ダンディなイケおじであり、最初は余裕を持って相手と接していたのが体も心も虜にされて、しおらしく彼女の影を探してはあてどなく港町で雨に濡れているのでしょう。そのお姿だけでわたしはご飯が3杯食べられます。
続いては欧陽菲菲さんの『雨の御堂筋』です。
こちらはザ・ベンチャーズというアメリカのインストゥルメンタルバンドが1971年に日本で発売したシングル曲であり、そちらを同年、欧陽菲菲さんがカバーしデビューシングルとしてリリースしました。
タイトルからも分かる通り大阪のご当地ソングとしても知られていて、歌詞の中にも“本町”、“梅田新道”、“心斎橋”など大阪のあらゆる地名がふんだんに登場します。原曲はアメリカのバンド、歌手の欧陽菲菲さんは台湾出身で、なぜ大阪のご当地ソングが爆誕してしまったのか…。これが昭和歌謡の面白いところでもありますよね。
ですが、ご当地ソングは情念を演出する要素だとわたしは考えます。前回の人物名しかり、具体的なモチーフが歌詞の中にあることで聴き手は歌の世界を身近に想像しやすくなり、それがご当地ソングだと自分に近い地域であればあるほど、より深く感情移入をしながら歌の世界を堪能することができます。
少し話がそれましたが『雨の御堂筋』は『恋人も濡れる街角』とは違い、恋人とすでに別れた状態からスタートします。雨降る夜の御堂筋をひとり歩く女性は風の噂で本町に別れた恋人がいることを知りますが、容易に会いにいくことはせず回想シーンへ入ります。
ちなみにGoogleマップで見たところ御堂筋と本町はかなり近く歩けば20分ほど、大阪メトロ御堂筋線に乗ってしまえば心斎橋駅から本町駅はたったの1駅の距離とのことです。こんな距離ならわたしだったら会いに行ってしまいそう…ですが、女性のプライドとして会いに行きたくない気持ちも非常に分かります。
楽曲はサビにいくにつれて盛り上がり、歌詞の世界は回想と現在が交わるような情景になっていきます。雨が降ったとき傘もささずに身を寄せてふたりで歩いたこと、その道を今はひとりで歩いていて、濡れる鋪道は雨で濡れているのか、はたまた自分の涙で淋しく光って見えるのでしょうか。
『恋人も濡れる街角』と『雨の御堂筋』はどちらも恋人を失った主人公が雨の中濡れている描写がありますが、個人的な感想ですが『恋人も濡れる街角』の主人公は別れた彼女を今でも真剣に探し求めていて、なんかその辺にいたよく似た女に勝手にエモくなっている始末ですが(それが女々しくてセクシーで、すごく良いってことだすよ!)、『雨の御堂筋』の主人公は別れた恋人と歩いた道をひとりで歩きながら、忘れられない思い出を忘れようとして強く突き進んでいくような印象があります。
どちらも間違いなく名曲ですが同じ雨をテーマにした楽曲でこんなにも世界観が違うのは面白いですね。
他にも雨をテーマにした歌謡曲はたくさんあるので、雨の日には家に引きこもり聴き比べてみてはいかがでしょうか。
今回はこのへんで終わります。最後まで読んでくださってありがとうございます!
次回もよろしくお願いします。
【架乃ゆら(KANO YURA)】
身長:156cm
スリーサイズ:B84(D)・W55・H86
生年月日:1998年12月28日
趣味・特技:昭和歌謡、特撮ヒーロー鑑賞
ツイッター:@kano_yura
インスタグラム:@kano__yura
公式ブログ:架乃ゆらオフィシャルブログ
YouTube:かのちゃんねる
(写真・構成=神楽坂文人Twitter@kagurazakabunji)