隔たりセックスコラム連載「女と男の駆け引き#4」
隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。 |
▼これまでの「女と男の駆け引き」▼
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目が覚めて横を見ると、そこに都さんはいなかった。
昨日は都さんの胸を揉んでいる途中で眠ってしまった。
手にはかすかに都さんの胸の感触が残っているが、起きてしまうと胸を触っていたことがまるで夢のように感じられた。
また外に出てしまったか、と焦ったが、都さんはベッドで寝ていた。おそらく、僕が寝た後に移動したのだろう。胸を揉むほど近づいたのに、今はもう離れてしまっている。少し寂しかったが、都さんらしいなとも思った。
毛布を外し、床から起き上がる。何も敷かずに寝てしまったので、体が少し痛い。
カーテンの隙間からかすかに光が差し込んでいる。朝の匂いと都さんの部屋の匂いが混じり、異世界にいるような気分になった。
昨日はとても長い1日だった。今日はもう、元の場所に戻らなければならない。
毛布を畳んでソファに置き、その横に座る。起こしていいのかどうかと迷っていると、都さんが寝返りを打った。寝顔が見える。
やはり、お世辞にも可愛いとは言えない。
体のフォルムもクマさんのようで、使い古した人形がそこに横たわっているみたいだった。
ただ、僕はその姿をとても美しいと思った。都さんの、大人な女性の無防備な姿に。
ソファから立ち上がり、ベッドに近づく。ここに居ても都さんとセックスをすることはできないだろうと、僕は諦めていた。だから、もう帰ろう。
「都さん、おはようございます」
びっくりさせないように囁くと、都さんの目がゆっくりと開いた。
「おはようございます。ごめんなさい、起こしてしまって。あの…帰りますね」
眠そうな顔をしていた都さんの表情が少し変わった。その表情は「えっ」と驚いたようにも見えたし、「あっそう」と呆れたようにも見えた。
「その…お邪魔しました」
「帰り方はわかる?」
寝起きの気だるそうな声で都さんが言う。
「あ、アプリで見るんでわかります」
「そう」
相槌を打った都さんは、ゆっくりと体を起こした。
「あ、寝てて大丈夫ですよ。起こしてすみません。じゃあ、帰ります!」
僕はそう言ってすぐに振り向き、玄関に向かった。すぐに振り向いたのは、都さんの顔を見ていると、どうしても昨日のキスを思い出して、帰りたくなくなってしまうからだった。