【コスホリ2020レポート】コロナ禍の同人フェスは静かな熱気に包まれ開催

災厄退散! マニアとマニアを繋ぐ同人誌フェス「コスホリ2020」開催

 コロナ禍で様々なイベントが中止となった2020だったが、年の瀬も押し迫った12月30日、同人誌即売会「コスホリック2020」が開催された。

 同様のイベントには度々取材で訪れていて、毎回、出展者と来場者の熱気で溢れかえる開場の濃密な空気に圧倒されていた。が、今回は雰囲気が全く違っていた。

 感染対策をとったうえ、開催は昼の部と夜の部の2部に別れていたため、あの濃厚で濃密な熱気はほぼ感じられなかった。

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ビニールで感染予防をしながら来場者とコミュニケーションをとる出展者も

 「コスホリック」(以下コスホリ)は、オールジャンルの同人誌やグッズの展示即売会だが、出展者の多くはコスプレイヤーの女の子たちだ。いつも応援してくれるファンや仲間と交流しつつ、自分自身で手がけた写真集やCDロム、アクセサリーやグッズを展示販売するレイヤーたちにとっては最大級のイベントとなっている。

 来場者は圧倒的に男性が多く、その目的はグッズ購入もあるが、1番は「生の推し」に会うことだ。いつもはSNSやロム、動画の中でしか会えない彼女たちと生で出会い、握手はできないがサイン入りグッズやチェキを購入しつつ、短いおしゃべりの時間を楽しんでいた。

 肝心のコスチュームは、昨年の話題の中心にもなったアニメ『鬼◎の刃』の禰◎子のコスプレが多いのではと予想したが、記者が見かけたのは2人だけだった。

 また最近は、コロナ対策のマスクが引き金になったのか、甲殻ふうにモディファイしたプロテクターに人気が出ている。

 『大美屋工房』のブースにいたのは、そんなマスクカバーとアバラ風アーマーを着けた女の子たち。彼女たち自身もオリジナルグッズを売っているのかとおもったら、「ただの売り子です(笑)」と。それぞれ、アーマーを装着したセクシー写真集があれば見てみたいほどの美女揃いだった。

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左から青井あお。さん、まおにゃそさん、しュさん、れいさんの4人
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迫力あるアバラアーマーが異様な雰囲気を醸し出す
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マスクカバーにエルボーアーマーなどが展示即売されていた。購入は大美屋工房のTwitterのDMから

 奇抜なコスだけでなく、定番だけど男性のハートにツボるコスでロムを販売していたのは、『競泳水着横丁』の小松花恋さん(左)と池内リナさん(右)のふたり。くびれたウエストと切れ込んだハイレグの競泳水着が眩しい。

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ロムは撮影会などで購入可能

 青い瞳と青い髪、ハイレグすぎる初音ミク風コスで際立っていたのは、『みるちーず』のりみるさん。マスクで顔が見れないのが残念と思ったら、すぐ後ろのポスターにはちゃんと顔が写っていた! 新作ロム『ラバーxコスプレ 大好きで止まらないの』は大自信作という。

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購入はイベントまたはTwitter@miruchiCosから通販サイトへ

 JKにメイド、ラバー、ハイレグなどのコスが目立つ会場の片隅に、凛として楚々な印象の美女を見つけた。白いレースの下着姿で爽やかなお色気を放っていたのは近衛りこさん。新作ロム『Noe Noir.』には白と黒の下着姿が収まる。

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購入はTwitter@ko_no_e内の通販サイトから

 そして、蜷川実花調のサイケデリックなポスターを背に、黒の超マイクロ下着に透け透けコートを羽織っていたのは、多方面でプロデュース業に励むうしじまいい肉さんだ。激推し商品は手に持った新作ダウンロード写真集『Paradise Lost』。今までのうしじまとは違う世界観に圧倒される作品だ。

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購入はushijima1129.booth.pmから
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購入はushijima1129.booth.pmから

 また、会場では撮影会もあり、壁沿いにはカメラを構える来場者とその先には、指示どおりのポーズをとる女の子たちの姿が。ロム写真集とはまた違った自分だけの写真集も作れるめちゃ楽しいイベントとなった。次の開催が楽しみで仕方ない。

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 開催に際し、出展者、来場者、スタッフ共にマスク着用が義務となり、出入り口には消毒用アルコールが置かれ、数カ所ある扉は換気のため半分ほど開けられていた。また密集を防ぐため開催は2部制となり、可能な限りの感染対策をとった上での開催となった。

〈取材/松本雷太〉

 

▼特選コスプレイヤーインタビュー▼

日本を代表する写真家たちが絶賛する肉体を持ち、一部のアマチュアカメラマンから絶大な支持を受けているモデルの七菜乃(なななの)。一般的な知名度はまだ低いものの、今年に入ってから各週刊誌などのグラビアに登場するなど、徐々に活躍の場を広げている。すでにネット上には、そんな彼女を「壇蜜を越えるエロスの持ち主」と称す声も上がっており、今後の活躍が期待される逸材だ。

女優でコスプレイヤーの藤崎ルキノ(36)。かつて秋葉原のメイドカフェで働きながら、「完全メイド宣言」というアイドルユニットとして活動し、2005年には「萌え~」で流行語大賞を受賞した経歴を持つ彼女は、昨年CDデビューを果たし、くノ一衣装で軽快なダンスと可憐な歌声を披露する。

 ポップなデザインながらエロティックな雰囲気を存分に感じさせる作品で人気のフォトグラファー・口枷屋モイラ。オリジナルのフェティッシュな表現で女性からの支持も高く、彼女の生み出すグッズは、「ヴィレッジヴァンガード」などでも取り扱われている。コスプレイヤーとしても有名なモイラは、自らの作品を中心にモデルとしても活動。セルフプロデュースした数々の作品でオリジナリティにあふれた世界を表現する。  黒髪ロングヘアと少し気だるそうな表情が特徴的なモイラは、さまざまなアイテムやイラストのモチーフとなっており、ひとつのキャラクターとしても確立されている。カメラマンとして活動しながら、人気コスプレイヤーという一面を持ち、フェチ系ファッションの女性たちから人気を集めるグッズを手がけるモイラ。多才な印象のある彼女だが、それゆえ、その素顔はなかなか見えづらい。鮮やかなカラーリングの作品の中に妖艶なエロスをにじませる口枷屋モイラとは…。

 “フェチ”とはフェティシズムの略で、宗教学的にいえば呪物崇拝のこと。心理学上では性的倒錯の一種とされ、物品や人体の一部などに異様なほどに興味を抱き、セクシャルな魅惑を感じることをさす。ある辞書によると変態性欲とも同義語らしいが、現代社会においてはもはや日常的で、それほど仰々しいものでもないだろう。どちらかといえばカジュアルな印象もあり、飲み会などでは「なんだかんだ言って男子はオッパイが好きなんでしょう~?」「いやいや。俺は脚フェチだよ~」なんて会話はよく耳にする。

 今年4月、コスプレイヤーながらTwitterのフォロワー数は10万人を数え、ネット上で圧倒的な人気を集める御伽(おとぎ)ねこむが、大手芸能事務所のホリプロに所属した。これはかなり特殊な例なのかもしれないが、御伽のような“普通”の美少女モデルは次々と誕生しており、男性ファンから熱い視線が送られている、今回インタビューを行ったのも、昨年フリーのフェチモデルとしての活動をスタートさせ、瞬く間に人気を集めた“尻屋(しりや)もみたそ”だ。

 今や世界的な広がりを見せつつある日本の“かわいい文化”。その要素は主に3系統あると言われ、ひとつは東京・秋葉原を中心とした「萌え系」、もうひとつはファッションモデルらが牽引する「渋谷系」、そして自らの個性を表現する一般女性たちによる「原宿系」と呼ばれるものだ。  いずれも共通する部分が多々あり、これは何系、あれは何系と明確に分類することはできないものの、その曖昧さがかわいい文化を広める要因にもなっているという。だが、昨今ではよく若い女性たちが何でもかんでも「かわいい~」と口にしているのを見かける。「かわいい」があいさつのようにもなっており、そんな現状にちょっとした違和感を抱いているのが、今回インタビューをしたモデルの羽佐美まよだ。

 昨今何かと話題の“ぽっちゃり系女子”。2013年3月に創刊された“ぽちゃカワ系女子”をコンセプトにしたファッション誌「la farfa」(ぶんか社)は順調に売れ行きを伸ばし、当初は季刊だったが2014年3月から隔月発行されることに。そんな世の中のぽっちゃりブームはフェチの世界にも徐々に波及し始め、肉感的なスタイルをウリにしたコスプレイヤーが一部のファンから熱い視線を注がれている。そしてムチムチ系レイヤーの代表格として知られるのが巨尻をトレードマークにする百合華だ。

 お尻や脚など、カラダの一部にカメラを向けられるフェチモデル。ネット上の求人サイトなどには“フェチモデル募集”などの文字が躍り、その需要はますます高まっている。しかし、そうした女性の中には、「顔は普通だけど脚だけなら自信がある」といった思いを抱く一般の人も多く、フェチの世界に身を置くモデルとは違う。やはり、日々エロスとは何かを模索するフェチモデルは特殊なエロスを放つ。そしてそんなフェチモデル界でトップクラスの人気を誇っているのが北見えりだ。

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