超ユーティリティ女優・阿部乃みく、引退決意
2013年にデビューし、ユニークな芸名と怒涛のAV出演で話題を呼び、あっという間に人気女優の仲間入りを果たした阿部乃みく。2015年にアイドルユニット「マシュマロ3d+」のメンバーとして歌手活動も始めた彼女は、2017年にソロデビューするなどでアイドル的な人気も博した。
アダルト作品ではロリ系からハード系までこなす超ユーティリティ女優として大活躍。バイセクシャルを公言していることもあって、レズものでは類稀な才能を発揮した。
いわゆるキカタン女優(企画単体女優)として活動してきた彼女は、2021年1月末をもって引退することを発表。残り2カ月あまりということだが、この2カ月はかなり濃厚なものになりそうだ。ラスト2カ月、彼女はKMPと専属契約を結び、ミリオンガールとして有終の美を飾ることになったのだ!
ということで、ラストランを疾走する阿部乃みくを直撃! 初めてリリースする「専属女優」としての作品についてや、引退に向けての「想い」を聞いてきたのでじっくりと噛みしめてほしい。
【阿部乃みく】
生年月日:1993年10月18日
出身地:大分県
血液型:O型
サイズ:T155・B80・W60・H83(cm)
公式Twitter(@abenomiku)
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阿部乃みく、引退インタビュー
――2021年の1月31日に引退ということで、衝撃を受けたファンも多いと思います。今回のインタビューはそんなファンの方にいろいろと思い出しながら読んでほしいので、まずはデビュー当時から振り返りたいと思います。デビュー当初のイメージは「ザーメンごっくん」系でしたよね。
阿部乃みく(以下、阿部乃):そのときの流行と合致していたのかな。もともと、ごっくんが好きだったので、いっぱい撮ってもらえました。当時は月に2回くらい、平気で20発、30発ありました(笑)。
――チ〇チンから発射されたものを飲むだけでなくて、一風変わった飲み方もしてましたよね。
阿部乃:「溜め飲み」とかですね。
――お盆とか洗面器とかに入れて…。いちばん発射回数が多かった撮影は?
阿部乃:108発です。
――おっ! 煩悩の数、除夜の鐘だ(笑)。
阿部乃:最初は100発の予定だったんですけど、調子がよかった人が2回出して結局108発になったんです。
――いまでもごっくんは好きですか?
阿部乃:好きです! 時代背景とかもあってだんだんできなくなったんですけど、最後まで「やりたい」ってお願いしていました。
――時代背景っていうのはコロナのこともあるのかな?
阿部乃:コロナというより、人をいっぱい呼ぶのが難しい時代になったみたいです。
――性病検査とかギャラの問題とか、いろいろ複雑になりましたからね。あと、いい意味で素人顔をしているから、素人系の作品にもたくさん出ていましたよね?
阿部乃:『2ちゃんねる』で「お前はもう阿部乃みくなんだから、素人ものに出るな」って書かれるくらい、最近まで素人作品に出させてもらいました。なんなら素人ものの方が売れるみたい(笑)。
――最近も素人作品に出ているんですか?
阿部乃:けっこう最近まで出てました(笑)。友達にも「よく見たら、お前じゃん」って言われたり(笑)。
――とにかく出演本数が多いですよね。2014年から2015年にかけての約2年半で300本以上も出ているようですから。
阿部乃:正直言うと、名前が出ていない作品やオムニバス作品もあるので、私自身も数は把握できていないんです。まあ、多かったことは自負しています。
――当時の目まぐるしいスケジュールはどうでしたか?
阿部乃:体力はあったので、「マジ無理。休みたい」とかは全然なかったです。とにかく、いただいたお仕事に関しては責任を持ってやらなきゃっていう気持ちでしたね。言葉どおり「馬車馬」でした。
――精神的にも大丈夫でしたか?
阿部乃:メンタルをやられたことがないんです。(他の女優さんは)なにかしら精神的に病んで休む期間があったりする子もいますけど、それはなかったんですよ。長く休んだのは、コロナの影響で休みになった今年の3カ月くらいです。
――女優業のほか、2015年にはアイドルグループ「マシュマロ3d+」に加入するわけですが、加入当初はどんな想いを抱いていましたか?
阿部乃:当時、某プロダクションの社長さんから「やってください」って名指しでお願いされたんですけど、そんなキャラじゃないので「できません。無理です」ってお答えしたんです。
でも、事務所の方や一緒に加入した「しのみー(篠宮ゆり)」に後押ししてもらってやることを決意したんです。入ったら責任を持ってやらないといけないじゃないですか。だから、頑張ってやっていました。
ただ、加入してから3カ月くらいで要となるメンバーがいなくなって…。そのときは、「これからどうなっていくんだろう」って感じでした。
正直、AV女優ってAVだけやっておけばいいじゃないですか。でも、あのころは撮影現場で歌とか踊りの練習をしたりとか、とにかくいろんな負荷がかかっていましたね。それでも弱音を吐かずに、グループを盛り上げていこうと頑張った自分のことは本当に誉めてあげたいですね(笑)。
――ずっと取材をしていたから分かります。言い方がおかしいかもしれないけど、あの頃のみくちゃんはマシュマロ3d+に殉じるんじゃないかと思っていたくらいです。
阿部乃:そうなったらレフカダ新宿(ライブをしていたホームグラウンド)に記念碑を立ててほしい(笑)。
――みくちゃんを見ていると、ステージで倒れても歌っているロッカーのようでした。
阿部乃:気が付かないうちに体を壊していて、ライブを休んだりしたこともありました。それでも、マシュマロ3d+ではいろんな部分を鍛えられたのでよかったと思っています。
――マシュマロ3d+への加入とともに、ご自身の知名度なども上がりましたか?
阿部乃:やっぱり幅が広がったように思います。アイドルとして知ってくれた人がAVを見てくれたり、AVを見てアイドルイベントに来てくれたり…。
――セクシーアイドルグループとして理想的なパターンですね。
阿部乃:そうですね。マシュマロ3d+という名前を使って、自分を売り出すこともできました。反響もあったので、とにかくやるからには中途半端にするのはよくないなって思いました。
――マシュマロ3d+はワンマンライブで300人も動員したんですから、すごい活躍だと思います。2017年あたりは阿部乃みくという存在がセクシーアイドルの中心という感じがしましたよ。
阿部乃:そんなことないです(笑)。ただ、当時は上原亜依ちゃんや湊莉久ちゃんを中心にキカタンの時代だったとは思います。企画単体女優っていう存在が確立されてきたというか。なんとなく話題になったので、その流れに乗れたっていうのはあるかな。
――ちなみにそのころはどんなAVに出ていたの?
阿部乃:もう分からないんです(笑)。とにかくオールラウンダーで全ジャンルに出ていたので(笑)。
――それは最近まで同じ?
阿部乃:そうですね。
――引退の決めてというのは?
阿部乃:去年の6月に病気をして1カ月くらいお休みをいただいたんです。そのときに将来のことを考えて、幅広く活躍させてもらったからこそ、やり切ったなっていう思いが生まれました。続けようと思えば続けられるんですけど、ずっと(AV女優で)いる必要性があるわけじゃないかなって…。また違うところで頑張った方がいいんじゃなかなって思い、引退を決めたんです。実際に引退を考え始めたのは去年の夏とかですね。
――それまでに「辞めたい」って思ったことは?
阿部乃:ないですね。辞めたいと思うほどイヤなことがなかったので、マイナスなことを考えたことがないです。だから「引退」っていうことも考えたことがなくて、それを考えた瞬間に突然踏み切った感じですね。
――プライベートでも仲の良いかさいあみちゃんや佐倉絆ちゃんの引退の影響はないですか?
阿部乃:それはよく言われる(笑)。「周りがいなくなって寂しくなるから辞めるんでしょ」って(笑)。でも、全然関係ないです。そもそもふたりと仕事で絡むことってほとんどなかったから、本当に自分のタイミングだけで決めました。
阿部乃みくミリオン専属ラストラン
――引退がきっかけとなり、ラスト2カ月は「ミリオン専属女優」として作品をリリースすることになったわけですが、今の心境はいかがですか?
阿部乃:専属女優さんって、そもそも違う場所の人たちだと思っていたんです。
――それはどういうイメージですか?
阿部乃:企画単体女優とは、まったくジャンルの違うお仕事、かな。だから、最初は戸惑いが強くて、「私で大丈夫かな?」っていろいろ考えました。光栄だってことはわかるんですけど、とにかく実感がなかったです。
――12月11日には『阿部乃みく ミリオン専属 第1弾ドラマ 完全女性上位 執拗に男ヲ責めて悦ぶオンナ 痴女OLはオフィスにて男性上司を堕とし狂わす』が発売となります。これまでと撮影方法などに変わりはありました?
阿部乃:基本的な撮影方法は変わらないですけど、これまで(キカタン時代)は撮影前の打ち合わせってあんまりなかったんですよ。でも、専属女優は打ち合わせが綿密(笑)。1本撮るまでにこんなに打ち合わせをして、自分の意見を反映させてくれるんだってところに驚きました。いままでは「〇月〇日、△△メーカーの撮影です。××みたいな内容ですけど大丈夫ですか?」ってオファーされ、「はい、いけます」っていうだけでしたから(笑)。
今回の『執拗に男ヲ責めて悦ぶオンナ』は、しっかりした台本もあって、その中に私が打ち合わせで言った言葉がセリフとして入っていて感動しました。私という人間を理解した上で作品にしてくれているので、これまで出演してきた作品とはまったく違うものになっている気がします。
――みくちゃんのパーソナルな部分を織り込んだ作品になっているのかな。
阿部乃:そうですね。例えば、「私はこういう人間が好き」、「こういうことが好き」ということがさりげなくセリフに反映されていたりします。もともと台本がかっちり決まっている方がやりやすくて好きなので、今回も撮り終わった後には「よっしゃ! やってやったぜ!!」っていう達成感がありました。
――では見どころは?
阿部乃:え~? どこだろう? チャプター5の「リモートJOI」(※)かな。VRで培った技術が2Dで全て活かせた感じです。※JOI=Jerk Off Instruction(オナニー指示)
――どういう部分が活かせたんですか?
阿部乃:10分くらいのチャプターなんですけど、ずっと言葉責めをしていて「やってやったぜ。これ得意だわ」って、やりながら思いました(笑)。
――ユーザーにいちばん観てほしいのは?
阿部乃:悩むなあ。いちばん最初のシーンも好きなんですけど、自分がしっちゃかめっちゃかになることはあまりないので、最後の4Pはクライマックスらしいお祭り感が出ていてぐちゃぐちゃになっているので見てほしいですね。
――4Pは気持ちよかった?
阿部乃:そういう体験って普通はないじゃないですか。だから、AVならではの快感っていう感じで楽しめました。
――あと、この作品は引退作への布石になっているようですが?
阿部乃:ストーリーが続くわけじゃないんですけど、この作品と引退作がリンクしているところがあるんです。こっちも引退作も観てくれたら、いろんな意味で倍楽しめると思います。
――内容もキャラクターも繋がっていないんですか?
阿部乃:そうです。なにが繋がっているんでしょうねえ~(笑)。
――では隅々まで楽しむしかないですね!
阿部乃:『執拗に男ヲ責めて悦ぶオンナ』を観てから引退作を観たら、「そういうことか!」、「そっち?」、「なるほど!」ってなりますよ。
――引退作も気になります! では、そろそろ時間なので最後にファンの方に改めてメッセージをお願いします。
阿部乃:自分のなかでは「めっちゃ売れてやったぜ!」とかではないし、いつの間にか、たくさんの方に認知してもらったので、正直、気持ちは素人時代とあまり変わらないままです。仕事をしていたら、いつの間にか応援されていたというか…。本当に運がよかったと思います。
引退発表してここまで反響があるとは思っていなかったので、引退発表後に自分にこれだけの認知度があったんだっていう自覚がやっと生まれました。「女優人生、なんて自己評価が低かったんだろう」って、いまになって感じます(笑)。
改めまして…阿部乃みくをいろんな形で応援してくださったみなさん、7年半のAV女優人生に幕を閉じるんですが、作品はこれからも残り続けますので、ぜひ、これからも思い出したら阿部乃みくでヌイてもらえたら嬉しいです。画面の向こう側でいつでもお待ちしております。7年半応援してくださってありがとうございます!
――1月31日まではありますが、本当にお疲れ様でした!
阿部乃:ありがとうございました!
(インタビュー・写真=神楽坂文人)