熊本県の豪雨支援でマスクを1万枚寄付
――今回はSuperflyの難しい歌を歌っていましたが。
川上:よりによってです(笑)。毎日、朝は発声しています。そんなこといままでしなかったけど。でも、いい歌です。
――あと熊本県の豪雨支援でマスクを1万枚寄付したそうですが?
川上:あまり話したくないです(照笑)。
――確かにそういう話題は大々的に自分から話すのは控えたいところかもしれないですが、いい取り組みですので話してください。
川上:マスクを1万枚送りました。ロック座が記事にしたから「マジかよ」って思ったんですけど(笑)。
――現地まで行ったんですか?
川上:ロック座が熊本に送ってくれました。熊本県に所縁があったわけではないですけど、全部、タイミングです。
いま出会う人たちもすごく変わってきて、いままではハッキリ言ってAV女優=下心で応援したいっていう人しかいなかったんです。それに対してすごく警戒心を持ちながら、一緒に仕事をしていたんですけど、もうそうではなくて完全に無償の愛というか、奉仕してくれる人たちが集まってきてくれたんです。私の歌を聞いたり、出演した『全裸監督』を観てくれたりして。
それで、今回、大阪でマスクを作っている工場の社長さんが私の歌を聴いて、「何かできることはないかな?」って言ってくれたんです。それで、私が「今度、浅草ロック座に立つんです」って言ったら、「AV撮影でもロック座でもいいからマスクを配ったらどう?」って言われて、足で踏む消毒器もいただいたんです。「川上さんが売れてくれるのがお返しだから、とりあえず売れてくれ」って言われました。
いま、私がAV女優、ストリッパーから普通の女優になっていくことが、すごく楽しみで応援したいっていう人が目に見えて増えているんです。
――これは何事も本音で答えてくれる川上さんにしか聞けないことですが、きれいごとや建前なしに一般の映画やテレビで女優をやるとき、AV女優の肩書は足かせになる部分があるじゃないですか。
川上:うん。
――そのときにAV女優と一般の女優を両立していくのか、それともAV女優はいつか辞めるのか聞きたいんです。この質問自体、勘違いして受け止める人がいるから、私が尊敬する川上さんにしかできない質問です。以前は「ずっとAV女優をやっていく」って言ってましたが。いまはどういう考えですか?
川上:それは変わりました。体力とバランスの問題が出てきたんです。もう年なので(笑)。でも、AVはできるまでやろうと思っています。やらせてもらえる限りやろうと思っています。その間も映画は続けていこうと思っていて、NHKの大河ドラマまでいけないかなあって考えています(笑)。
――元AV女優の及川奈央さんは大河ドラマ『龍馬伝』に出ましたから、出られないことはなですよ。
川上:いけるかなあ…。名前のある役でしたか?
――こういうときに話題に上がるので、チョイ役ではないです。絶対に無理な話ではないです。
川上:うん…。そう…。
――AV女優であることは全く恥じることはないんですけど、世の中の空気やスポンサーがうるさいですよね。そのときに正直、AV女優の肩書がどう作用するかが難しいです。
川上:とりあえずAVデビュー12周年くらいまではやるつもりでいます。あと3年はやろうと思っています。でも、しんどいですよ。しんどい! あはは(笑)。今年、もう4本映画を撮影して、これからまたドラマが入るか入らないかって感じで、いろいろスケジュールが入っているんです。
――あと本も書いていますよね?
川上:今年の12月発売予定だったけど延びています。あるフリー編集者がイベントに来てくれて「小説に興味はないですか?」って聞かれたらから、最初は宗教の勧誘かと思いました。あはは(笑)。
――自伝的小説ですか?
川上:はい。私の経験です。でも、この怒涛の10年間を全部は書ききれなかったです。意外といろんなところを削りながら書いています。いろいろあったなあと思いました。
夢と野望の決意表明
――それは楽しみです。最後にAV女優、映画女優、ストリッパー、本を執筆とここまで多岐に渡って活躍している女優はいないです。この先の目標はなんですか?
川上:それ、すごく聞かれるんです。ツイッターにも書いたんですけど、底知れない人間になりたいだけです。あはは(笑)。
――正直、ここまで真面目で真摯なAV女優はいないです。
川上:真面目で真摯でもないです(笑)。いろんな復讐心や見返したい気持ちがあったんですけど、それじゃあダメだと思ったんです。それこそAV業界への見返しもあったし、なんで私の話を聞かないんだよっていうこともあったんです。でも、それはそうだよね。もうちょっと名前が大きくなったら聞きてくれるかなって思ったんです。
とりあえずは、やったことがないことをしてみたいと思っていて、みなさんに夢を与えたいです(笑)。最後の部分は「(笑)」って書いてください(笑)。あはは(笑)。
壮大に生きたいです。本当に小さい世界にいた苦しみをすごく味わったので。幼少期の頃からそう思っていて、田舎に住んでいたので、真実を見ないでうやむやにして小さい世界に生きていたのが息苦しかったです。
私は真実を全部見たいと思い、こんな世界に来てしまって、もう「見たるわ!」みたいな感じになって、そこから見ていたらキャパオーバーになってしんどい時期もありました。でも、しんどく生きているのも面白くないし、みんなに夢とか人の怖さを知ってもらうとか愛を知ってもらうとかで、私が手助けできればいいなって思っています。
――ファンや関係者は川上さんの動向を注目しています。
川上:ちゃんと私が形になったら「あの人どうやってそこまで行ったんだろう?」って思ってほしいな。大変だから生きるのは。あはは(笑)。
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