そんなある日のこと。お茶飲み友達の主婦、A子さんからこんな誘いを受けた冴子さん。
「この前ね、セフレに連れられて初めてハプバーに行ったの。超楽しかったからまた行きたいんだけど、さすがに1人で行くのは不安だから、冴子ちゃん、一緒に行かない?」
A子さんは、冴子さんと同じくご主人とはセックスレスでしたが、積極的に浮気するタイプの女性。
井戸端会議では、お互いダンナの愚痴を言い終わった後、A子さんの浮気談を聞くというのが常で、冴子さんは行動力のあるA子さんのことを、いつも羨ましく思っていたそうなんです。
「ハプバーって、どんなお店なの?」
「エッチな人ばっかりが集まって、エッチなハプニングが起こるかもしれないバーよ(笑)」
「エッチなハプニングって…」
「お店に遊びに来てる男の人とエッチしちゃったり(笑)」
「えーーーーっ!?」
ハプバーのシステムを聞いて、びっくりしたという冴子さん。しかし、興味は津々、股間はウズウズした結果…?
「大丈夫、嫌だったら断ればいいのよ。ハプバーでは、主導権は女にあるんだから。見てるだけだってオッケーだし。ね、気晴らしに飲みに行くくらいの感覚でさ、一緒に行こっ」
A子さんの「見てるだけでもオッケー」という言葉に後押しされて、初めてハプバーに足を踏み入れることになったのです。
そのときの心境を、冴子さんはこう振り返ります。
「話を聞いてるだけで興奮しちゃったんですよね。でも、A子さんには”仕方ないなぁ。私は見学するだけだからね”なんて言いましたが、内心は超ドキドキしてました」
そして約束の日が訪れます。連れていかれたのは、都内某所の雑居ビルの6F。A子さんがチャイムをならすと、インターフォンから〈お待ちくださ~い〉と声がし、しばらくするとカギが開き、黒服を着た男性が出迎えます。
「あ、この前、セフレさんといらしてくれた方ですね」
「A子です。今日は彼じゃなく、主婦友と一緒に来ちゃいました」
「あ、初めまして、冴子と言います」
「女性は大歓迎ですよ。どうぞどうぞ、ゆっくり楽しんでいってください」
店員さんに促されて中に入ると、薄暗い店内には6人掛けのバーカウンターと、2人掛けのソファが2つ。カウンターには男性が1人、ソファには1組のカップルが座り、静かにお酒を飲んでいました。
お店の中では全裸の男女がくんづほぐれつ、なんて光景を想像していた冴子さんは、
(あれ…意外と普通のバーって感じじゃない)
と、少し拍子抜けしたそうです。
すると、そんな冴子さんの様子に気づいたのか、A子さんがこう耳打ちしました。
「うふふ、この店ね、奥にヤリ部屋があるのよ。とりあえず、カウンターでカンパイしましょう」
”ヤリ部屋”という言葉の響きに、下半身がゾクゾクするのを感じたという冴子さん。
そして乾杯した後、A子さんと男性が話している声を聞きながら何気なくソファに座っているカップルを振り返ると…。