他のジャンル同様、アダルト業界も新型コロナ禍に巻き込まれ、現在、AVメーカー、AV女優、アダルトショップ、ライブハウスなどの多くが活動を自粛している。
この未曽有の危機をアダルト業界がどう対応し、今後、どう対策を施し活動再開していくかを様々な関係者にインタビューし、アフターコロナの世界を語ってもらった。
第四回目は数々のアダルト関係書籍を輩出し、AVレビュー、インタビューなどでも大活躍するアダルト界の重鎮ライターであり、アダルトメディア研究家でもある安田理央氏に今後、起こるであろうアフターコロナの世界を予見してもらった。
――アダルトメディアに最も造詣が深く、長年に渡りかかわってきた安田さんにアダルト界全般が新型コロナ禍で受けた影響をお聞きしたいのですが、2月のクルーズ船での騒ぎの時に、アダルト界に新型コロナの影響が及ぶと思っていましたか?
安田理央:(以下、安田):アダルト界以前に、日本の社会自体がどうなるのかと思いました。
――いまAV撮影やイベントがストップしていますが、危機感は覚えましたか?
安田:ちょっと動きが遅かったです。大手メーカーは4月近くまで撮影をしていたとのことです。
――それを聞いてどう思いましたか?
安田:撮影の規模にもよります。人数が多い撮影ばかりではないので「まあ、いいんじゃないの」とも思ってはいました。しかし、テレビもいま収録は気をつけている状態なので、やはりAV撮影もダメだろうとは思いました。
――もし、AV業界がいまよりも景気がいい時代だったら、撮影は即刻ストップしたと思いますか?
安田:どうでしょうか? 売れている時はそれだけお金も動くのでどちらもリスクは同じです。
――売れているから、内部留保もあり撮影を止めようという感じにはならないですか?
安田:ならないと思います。売れているからこそ止められない状況もあります。大手メーカーが遅かったのはそういうことですから。
――そうれはどういう意味ですか?
安田:販売本数や会社の規模が大きいということは、それだけ影響も大きいのです。
――動物に例えると身体が大きいと、それだけ食べるものも多くなるってことですか?
安田:そうです。
――倫理的にはどう思いますか?
安田:倫理的には正直、分からないです。実際に撮影で感染が広がるかどうか分からないですから。
――パチンコ屋がそうですが、世の中も倫理と経済のせめぎ合いですよね。
安田:それで商売をしている人もいますので。
――撮影をしているからと言って、一概には責められないですか?
安田:そう思います。
――新型コロナ禍を受けて撮影方法は変わると思いますか?
安田:撮影方法は変わらないと思いますが、ソフトはDVDの盤面がなくなると思います。あとはFANZAとU-NEXTのネット配信にユーザーがここで動くと思います。
――U-NEXTは人気女優も移籍して、ちょうどいいタイミングです。
安田:タイミングがよかったと思います。FANZAとU-NEXTの二強に絞られてくるのではないですか。あとはプレステージです。