【緊急インタビュー連載】アフターコロナ:アダルト業界の未来#3 ライター&イベンター・大坪ケムタ編

 他のジャンル同様、アダルト業界も新型コロナ禍に巻き込まれ、現在、AVメーカー、AV女優、アダルトショップ、ライブハウスなどの多くが活動を自粛している。

 この未曽有の危機をアダルト業界がどう対応し、今後、どう対策を施し活動再開していくかを様々な関係者にインタビューし、アフターコロナの世界を語ってもらった。

 第三回目はアイドル関係の書籍も出し、『月刊FANZA』などでAVレビューやインタビューを担当、また、年間100本以上のアイドル、アダルトイベントを主催するライターでイベンターの大坪ケムタ氏にイベント界の明日を語ってもらった。

 

【緊急インタビュー連載】アフターコロナ:アダルト業界の未来#3 ライター&イベンター・大坪ケムタ編の画像1
イベンター、ライターの二つの顔を持つ大坪ケムタ氏

 

――大坪さんは著作物も出しているライターとして活躍中ですが、イベンターの仕事を始めたのはいつからですか?

大坪ケムタ(以下、大坪):2年半前くらいです。

――いまは月に何本イベントを主催していますか?

大坪:月に10本くらいです。2019年は101本やりました。

――3日に1本やっている計算ですね! 誰もがそうですが大坪さんも今回の状況は初めてですか?

大坪:初めてです。

――東日本大震災の時、イベントは開催していましたか?

大坪:やってはいたましたが、震災の時は大変だから我々が盛り立てようという空気がありました。震災直後にやったイベントが「AV女優カラオケ大会」だったんです。当時は震災が東北の話で東京は安全だからこそチャリティーイベントで東北を盛り立てようという感じがありました。

 震災時はチャリティーイベントがいろいろあったんですが、いまはアダルトイベントに限らず、イベントはないです。やはり我々もいつ加害者になるか分からないですから。

――2月にクルーズ船で新型コロナ禍が発生しましたが、その時、ここまでイベント界に影響が及ぶと思っていましたか?

大坪:全く思っていなかったし、感染症の恐怖をイメージしていなかったです。海外だとこれまでSARSやコロナがありましたが、我々が生きている間にこの経験は初めてじゃないですか。だから、当時は3月、4月くらいには収まるのではないかという空気でした。

――対岸の火事みたいな感覚ですか?

大坪:本当にそうです。

――大坪さんが最後にアダルト系のイベントを開催したのは2月24日の新人AV女優イベントですか?

大坪:そうです。あの時点で微妙な感じにはなってきました。確かAVショップのイベントが中止になってきた頃です。私の主催で初めて中止になったのはアダルト系だと4月11日に大阪でやる予定だった初美沙希さんのイベントです。一応、6月に延期予定ですが、まだ分からないです。

――2月24日のイベントでは会場で新型コロナ対策を施しましたか?

大坪:消毒液を用意して、お客さんに消毒をお願いしました。ただ、その頃から消毒液もなくなってきていたから、前の週に大阪にいたので、大阪でわざわざ消毒液を買ってきました。マスクも絶対ではないですけど着用はお願いしました。あと、物販タイムもチェキ撮影はあるけど、握手は一切なしにしました。

――チェキ撮影は女優の隣でツーショット撮影していましたか?

大坪:まだ隣ではできました。

――当時はまだのんびりしていましたね。

大坪:当時はアイドルイベントも同じ感じでした。ツーショットは撮るけど、握手はなしで、話すときはマスク着用でした。アイドルはまだライブもやっていました。

――ライブとライブハウスは最初にやり玉に上がりました。それはどう受け止めましたか?

大坪:大阪のライブハウスでクラスター(集団感染)が起きたのが大きかったです。確かに密と言われればそうですし。

――3月に入るとイベント会場はどのような雰囲気でしたか?

大坪:お客さんがてきめんに減ってきました。チケットを買っても来ないお客さんが2月から出てきていました。

――チケット代の払い戻しもしましたか?

大坪:イベント会場によっては、こういう時期だから払い戻しもしていました。

――払い戻しはスムースに行われましたか?

大坪:オンラインで払い戻しなので、大きいトラブルはなかったです。

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