雑餉隈:かつて九州一の本サロ街だった街 ~ニッポンの裏風俗~ 

 そんな中、やっと開いてるそれらしき店を見つけて入ってみると、付いた20代の女のコは、


「今はヘルスが3軒とピンサロが4軒だけ。出前ば頼んどった中華屋さんも店ば閉めてしまいよったよ。それにピンサロでもフェラしてあげられんとよ」


 と言うのだった。ピンサロなのにしゃぶってももらえず、ただビールを飲んでおしゃべりするだけ。筆者の手は、悔し紛れに女の子の太ももを撫でるのだった…。

 雑餉隈の風俗店が閉店に追い込まれた理由は、摘発でも事件でもなく、福岡県が2016年オリンピックの誘致に乗り出したからだった。その年から雑餉隈だけでなく、福岡県内にあった闇営業の風俗店は全て閉店に追い込まれ、福岡で遊べるのは博多の中洲のみとなった。”聖火”を招くため、賑やかだった雑餉隈の本サロ街の灯は消えていったのだった。

 そして2015年、久しぶりに雑餉隈を訪れた時も、商店街近くの路地は最後に見た時とあまり変わらないくらいひっそりとしていた。しかし、雑餉隈周辺の風俗事情は若干変わっていて、風俗店は雑餉隈駅より南福岡駅近くへと移り、業種も本サロからエステへと変わっていたのだった(※)。


『南福岡:10年ぶりに蘇ったアロマとフェロモンの漂う街』


 そして令和を迎えた現在、さすがに本●エステは無くなっているだろうと思ったが、情報によるとまだ数軒は営業中で、一時、底辺レベルまで落ちていた女の子の質も、まずまずのレベルまで再浮上してきているという。失われた時を乗り越え、尚、向上していく裏風俗街はある。

〈写真、文=松本雷太〉

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