医食同源。食こそ生命の源なり――。ということで、精力みなぎるグルメをご紹介いたします。近頃何だか元気ないんだよな~なんて漏らしている貴方、お試しあれ!
主役のカレーを差し置いて名演するバイプレーヤー
カレー。ラーメンと共に日本を代表する国民食である。
どちらかというと、「精力」よりは「満腹」をイメージする食事だが、【勃活グルメ】の第1回では、そのカレーに「精力」の源を探ってみる。
「アチャール」というメニューを聞いたことがあるだろうか? 簡単に言うとインドの漬け物で、野菜や肉、魚などを塩やスパイス、オイルに漬け込んだもの。主に野菜を塩や酢、糠などに漬ける日本の漬物とは少し違うが、インドでも主食であるカレーと共に出されることが多い。
日本にあるインドカレー店も同様で、あくまでも主役はカレー。アチャールはその脇役といえる。しかし今回はそのアチャールにスポットを当てようと思う。
オーダーしたのは、「真ダコのアチャール」と「砂肝のアチャール」、そして「牡蠣のカレー」と「ナン」だ。
日本の漬物にタコはあっても砂肝はなかなかない。メニューを見ると他にも「ししゃも」や「きのこ」に「くだもの」などのアチャールがあり、興味をそそる。それぞれの食材に合わせて漬け込む塩やスパイス、オイルが異なっているようだ。
小さな銀色の器で提供されるインディアンスタイル。まずは真ダコのアチャールをひと口。奥歯で噛みしめる弾力は真ダコそのものだが、口に入れる直前からスパイスの風味が香ってくる。噛み締めるたび、スパイスが鼻から抜けてはまた香り、早速口の中でインドミュージックが流れ始めた。
そのスパイシーな香りが消えないうちに、焼き鳥でおなじみの砂肝のアチャールを乱入。「コリッ、コリッ」という食感が食欲のビートを早回ししてくる。乱入かと思われたが、同じスパイス系アチャールなので、乱入どころか一糸乱れぬ見事なインドダンスを披露してくれているようだ。
アチャールを楽しんだところで、いよいよ「牡蠣のカレー」の登場だ。海のミネラルをたっぷり含んでぷっくりと膨れ、まわりのビラビラはまるでインドの民族衣装サリーのよう。スパイスのサリーを纏った牡蠣をひとくち頬張ると…。
「ウウム、やっぱり精力グルメの王は牡蠣か!」
と感じさせる、威厳にも似た苦味と旨味の貝汁が口内にほとばしる。タコから肉、そして貝と、海、陸、海の精力成分で、早くも勃起しそうだ(笑)。