「パッションさん、ごめんなさい。仕事が長引いてしまって今日会えなくなっちゃった…」
俺はショックを受けた。だが、その街に来れるタイミングはしばらくないため、遅い時間からでもなんとかならないかと執拗にくらいつく。
すると、彼女から驚きのLINEが返ってくた。
「じゃぁ…会いますか。今から」
「えっ? 会えるの?」
一瞬、頭の中にはてなマークが浮かぶ。
「うん、仕事中でも会えるんですよ」
どういうことだろう。小児科の病棟にでも来いというのだろうか。
「私を呼んでくれたら喜んでいきますよ」
「どういう意味?」
「あの…デリに興味ありませんか?」
「えっ、まさか?」
「私、今日はデリヘル嬢なんです。今からならすぐに向かえます!」
マジか! そう、彼女は看護師をしながら副業でデリヘルをやっているコだったのだ。
「呼んでくださいよぉー。今、待機してるんで」
俺は釣られたのか? いやいや、俺からナンパしたコだ。声をかけたコがたまたま昼夜の併用ワークをしていただけだ。
「早く上がれないの? プライベートで会いたいよ!」
「いや、今日はこのままデリの出勤が続くので無理です」
楽しみにしてた気持ちを抑えられない俺は、動揺しながらも、一応条件を聞いてみることにした。
「40分12000円です。指名料込みです。オプションは…」
「あ、オプションの説明はいらないや。ナオちゃんの特別割引はないの?」
「そんなの、ありませんよ。あるわけないじゃないですか。」
こんなやり取りをナオちゃんとするとは…。俺が追い求めていたナオちゃんは幻だったのかと凹んだ。
ただここでサヨナラするのももったいない。なので、俺は条件を出した。