五条楽園が休業となったのは2010年のこと。それからちょうど10年経つわけだが、普通ならほとぼりが冷めれば、閉鎖したちょんの間の周辺で同じような店がボツボツと現れては摘発されるものだが、五条楽園ではそんな話はほぼ聞いたことがない。休業の時も一斉に店が閉められたので、そのあたりの協力体制は強かったということが偲ばれる。
それ以降、旧五条楽園の建物はどうなっているのか? 歴史と趣が残る建物だけに、料亭にリノベーションしたり、かつては旅館だったところがリフォームして、ゲストハウスとして安価で利用されているようだ。また歌舞練場では、様々なイベントが開催されている。
昨今、吉原などの旧遊郭に興味を持つ方が増えているようなので、京都旅行の際には、風俗の歴史を感じられる街並みを散歩してみるのもいいだろう。ちなみに、筆者の知人の元京都市民は、京都に遊郭の名残りの街があったことは、全く知らなかったと言っていた。
京都は観光都市のため、風俗に関しては非常に厳しい街となっている。1971年には府の条例で個室付き特殊浴場(ソープランド)の出店が禁止され、それ以降、琵琶湖畔の街・雄琴に関西地方のソープランドは集まるようになった。現在、京都にある風俗店は、四条河原町や祇園に箱ヘル、ピンサロが数軒。南インター近くにラブホ街があるため、その周辺にデリヘルが集まっている。
裏風俗は、四条河原町の高瀬川近くに熟女やオカマの立ちんぼがいたほか、鴨川にかかる団栗橋周辺に立ちんぼ情報があるが、筆者が調べた時にはひとりも見つけることはできなかった。