「なんかすみません…別で部屋とったほうがいいですかね?」
会長さんがホテルのフロントにかけあってくれたのだが、当日は他のお客様も多く満室だった。
「空いてないようです。一晩だけなのでお願いできますか?」
と申し訳なさそうな会長さん。
「自分は構わないのですが…槇原さんはどうですか?」
こういうときは女性が嫌だといえばまた状況が変わるかと思い、そう尋ねてみた。
「しょうがないですね。なにがあるわけでもないのでいいですよ」
あら…。なにやら想定外の方向に話が進んでしまい、けっきょく同室に泊まることになった。
部屋は二人部屋だったのでかなり広かった。ベッドもツインだったのでほっと安心した。
「これならなんとか一晩過ごせそうですね」
「そうですね。結果ちょっと広めな部屋になってラッキーってことにしましょうか」
槇原さんはそう言いながらコートを脱いだ。胸元が目を奪うぐらいの主張をしていて、一瞬目のやり場に困ってしまった。
その後、指定された宴会場に向かい夕食を食べた。ご老人一同はお酒も入ってワイワイとにぎやか。すると会長さんが近づいてきて、自分と槇原さんの耳元でこう言った。
「この中では辛いでしょうから、別で過ごしていただいていいですからね」
会長さんのお言葉に甘えて、しばらくして二人で部屋に戻った。
「さて、どうされます? 女性一人でどこか行かれるのも危ないのでご一緒しますよ?」
「そうですねぇ。なんか今日は疲れたので、お酒でも買ってきて部屋で飲みません? どのみち同じ部屋ですし」
二人で近くのコンビニに行きお酒を調達。少しばかりのおつまみも手に入れて部屋に戻って乾杯した。
槇原さんは最近旦那さんの転勤でこちらに引っ越してきたらしい。今回は旦那さんが長期出張だったので、どうせ暇だしと参加することにしたそうだ。
そんな感じで色々な話をしていたら、2時間程経っていた。槇原さんも自分も結構な量のお酒を飲んでいた。
そして酔いが回れば、自然と話題はエッチ方面へ。
「旦那さんが相手をしてくれないので欲求不満」
などと、なんだか赤裸々な告白大会のようになっていった。