そぼそぼと冷たい雨の降る日が続く東京の初冬。久しぶりに青空の見えた週末の夜、千葉の繁華街・富士見町と栄町を歩いてみた。
千葉駅のロータリー向かい側の工事をしているあたりから、富士見町に向かって路地を歩き始める。すると、土曜日の20時だというのに、大量の人波は駅に向かって押し寄せるばかり。その波に逆らいながら、やっと富士見町の路地にたどり着いた。
平成時代の中頃、週末の夜はもっと人が溢れていたのはどこの歓楽街も同じ。なんちゃら政権は戦後最長となったようだが、庶民の懐具合もトホホ感が延長中だ。飲み屋街を歩いても興味をそそられるような店がないのは、冒険を避けた平均的な店しか出店できない景気のせいか。何にも増して、肝心の人通りが少ない。
T字の交差点から富士見町の中でも最も楽しい路地に折れるが、その夜はいつになく静かだ。路地に立つ女のコも近寄ってくる客引きの数も少ない。そう思っていたら、某制服組がチームを組んで歳末警戒中だった。
富士見町から首都圏第3位のソープ街・栄町へ。その途中には公園があり、夜はちと物騒な雰囲気もあるので避けようと思っていたら、逆にファンタジーなイルミネーションで飾られていた。
すぐ先には、風呂であったまれるオトナのワンダーランド。だが周囲には、キッチンカーが並び、中央に据えられた氷のリンクでは子供達がスケートに興じている。これも街のクリーンさをアピールする作戦なのかもしれない。