――男優の射精シーンを見てどうでしたか? 女性が明るいところで見る経験なんてなかなかないですよね。
吉永:いや、もう、そうですねえ(苦笑)。「はあ」っていうか、まあ…、なんだろう? やっぱりすごく独特の世界だと思いました(笑)。
――ははは(笑)。精子の後処理は誰がしたんですか?
吉永:精子の後処理はADがやったと思います。精子を直に触るのはADでしたが、無数のティッシュが入ったゴミ袋を捨てるなど手伝いました。
――初の番組制作を経験してどうでしたか?
吉永:いやあ、どうですかねえ…なんか。もうこういう世界に来ちゃったんだなあって感じではありました。諦めと同時にここで頑張っていくしかないなっていう。
――AVやエロ本でも撮影現場に女性スタッフがいると女優が嫌がるから立ち会わない風習みたいなものがあるじゃないですか。その辺はパラダイステレビはないんですか?
吉永:そんなに嫌がられたことはないですね。
――週に何本くらい番組制作をしていました?
吉永:週に1本くらいは作っていたんじゃないですかね。
――そのなかでもヤバそうな番組はありましたか?
吉永:ずっと記憶に残っているのは『ザ・処女喪失リアルドキュメント』っていう、処女が自分の理想的な処女喪失をするまでを完全密着して追う番組があったんです。某国立大学の子が「処女を喪失するなら、この男優さんがどうしてもいいんです」って応募してきたので、その男優をキャスティングして、お台場のホテルをとって、デートもちゃんとさせてあげて、最後は処女喪失するっていう番組を作ったことがあるんです。初めての瞬間をちゃんと撮らせてもらうっていい記念になったと思いました。
――処女か処女じゃないかの判別はどうやってしていたんですか?
吉永:産婦人科で「処女証明」をもらってもらい、撮影したこともあります。一般の処女から応募があった場合、それは自己申告になりますけど、面接時や男性との会話で処女なんじゃないかなあって判断していました。泣いちゃったりしちゃいますし最後は。
――仕込みのAV女優とかじゃなくて、本当に素人なんですか?
吉永:プロダクション所属の女の子とかじゃなくて、応募してきてくれた子で撮っていこうってプロデューサーと話になりました。でも、素人の子だと後悔して、あとから取り下げてくださいとか多くなりそうなので、いまは撮ってないみたいです。結構、長くシリーズで続きましたけど。
――他に記憶に残っている番組はありますか?
吉永:某全裸セックス教団がありまして、教祖から「今度、キャンプ場でミサをやるから特別に密着していいぞ」って言われたので、そのミサにAV女優を連れて行ったんです。「大乱交になるかもしれないし、なにが起こるか分からない宗教だけど、うちしか撮れない映像が撮れるはずなので、一緒に取材してくれませんか」って女優さんに言って。それで全裸セックス教団のキャンプに1泊した番組も記憶に残っています(笑)。
――そのキャンプは大乱交になったんですか?
吉永:それが最後はみんなで大乱交とかではなく、信者がキャンプファイヤーをしてリンボーダンスをして終わりました。でも、信者はみんな裸でした。
――学生のサークルみたいだ。平和でしたね(笑)。
吉永:平和に終わりました。危険な目に合わなかったです。でも、うちだからできた密着映像でした。
――確かにパラダイステレビっぽいです(笑)。逆に面白い番組ではなくエロくて興奮した現場はありましたか?
吉永:神戸の乱交パーティーに潜入したことがあり、乱交する人たちはどういう人か人間的に興味があったのでインタビューしました。そのあとで乱交の様子を撮らせてもらう番組だったんです。マンネリの夫婦だから奥さんが他の男性にやられるのを見てすごい興奮するし、奥さんもキレイになって帰って来るしっていう話を聞けたのが、複雑なんだけどこれもひとつの愛のカタチなんだろうなって思いました。乱交だと富士山の麓で30人対30人の乱交を取材できると言われてそれも行きましたね。でも、取材を知らないおじさんもいて、チンチンを出している状態で「裁判するぞ!」ってキレているんです。
――全裸で激怒(笑)。激怒しながらもボッキしてたりして。クレームはやはりありますか?
吉永:地上波のパロディ番組を生放送している時に、某テレビ局から電話がかかってきて怒られました。「なにやってくれてるんですか(怒)」って。
――生放送ってことはそのテレビ局員もパラダイステレビを見ているってことになりますね(笑)。パロディは確かに境界線が難しいですね。ギリギリを攻めないと面白くないし、でも、いまのご時世クレームもつくし。あとは印象に残っている番組はありますか?
吉永:印象というかショックだった番組があって、『エロエロ本気(マジ)チャレンジ』という番組でフィストファックに挑戦する女の子がいたんです。フィストファックというか「女性器にはどれだけ大きなものが入るのかチャレンジしてみよう」っていう企画だったんです。