駅前の喫茶店で一休みしてから、午後1時半、タクシーで『桃山』へと向かう。富士の街は完全に車社会化されており、歩いている人はいない。旅先のタクシーは本当に便利である。
ソープ『桃山』は広い駐車場のある老舗で、入店すると広々とした待合室へと通される。料金は60分入浴料8千円。これにサービス料が1万3千円加わり、計2万1千円。
待合室で15分ほど待つと、
「お客様、こちらへどうぞ」
と、白いワイシャツに黒いズボンのおじさんに案内される。
さぁて、どんな女のコだろうか。期待と不安をミックスさせながら、階段の前へ。待っていたのは、黒地に赤やピンクの花柄のワンピースに身を包んだ、女優のような美女だった。
「Mです。2階へどうぞ」
階段を登り2階の部屋へ。洗い場は木目調の壁に白い湯船、銀色の6段マット、ベッドルームは白壁と白い天井、となっており、何だか一般の戸建て住宅の中にいるようだ。天井が所々禿げていて年季を感じるが、他は大丈夫である。
お相手の泡姫は女優の後藤久美子を少し小柄にして、もっと巨乳にした感じ。目鼻立ちが整った女優顔である。最近の地方ソープのレベルの高さには驚くばかりだ。
女のコは最初は無口だったが、何度も話しかけているうちに会話も弾んでくる。
「温泉が好き。草津とか熱海とか。別府も行ったよ」
「ディズニーに行きたい。最近行ってないから。新しい乗り物がいっぱいできてるし」
「犬が好き。可愛いから。金魚も好きよ。すぐに大きくなるの」
金色のスケベ椅子で体を洗い、簡単に入浴してからマットプレイへ。千流下り、カニ挟み、アメンボと巧みな技で奉仕してくれる。凄い。本格的である。お風呂の中で潜望鏡の後、ベッドに移り、全身リップからシックスナインへ。
いつの間にかゴムを着けられ、騎乗位で愛し合う。形のいい天然の美乳がプルプル揺れるのがたまらない。座位で抱き合ってから、ラストは正常位でフィニッシュする。ふぅ、気持ち良かった。
「出張の人とかよく来ますよ。あとは地元の人かな。若い人もごくたまに来る」
「旅行、好きなんですね。私も行きたいな」
時間いっぱいとりとめのない話をし、店を出る。タクシーで駅まで戻ると、普通列車で東京へ。富士の老舗ソープは街のオアシス。びっくりするほどキレイな女性が接客してくれる、隠れた美人の湯であった。
(取材・文=生駒明)
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【生駒明(いこま・あきら)】
1973年、愛知県生まれ。全国各地の歓楽街に足に運び、地方の風俗情報に明るい。長年にわたって「俺の旅」を世に送り続けてきた日本屈指の風俗通。