「私で大丈夫ですか? もしムリなら言ってくださいね」
「もちろん大丈夫ですよ」
私の言葉にミキが微笑む。続けて私が、「もし不安だったら最初にお茶でもしましょうか」と言うと彼女の表情が少し曇った。
「どっちでもいいでですけど、どうせエッチするならホテルに行っちゃったほうがよくないですか?」
ミキは人混みの中でも構わずにそう言ってきた。その大胆さに私は思わずドギマギしてしまった。
「私、あんまり人見知りしないんで、お茶とかしなくていいですよ。もし、ベッドに入ってからイヤになったらイヤって言いますし(笑)」
ミキの勢いに押され、私は「そ、そうなんだ」と答えるのが精一杯。そんな私のことを引っ張るようにしてミキが歩き出した。
ホテルに向かう途中の会話で、彼女がアパレル系の会社で働いていることを知る。仕事が終わって気が向くと、出会い系サイトで相手を探すそうだ。
「今日はちょうど生理が終わってエッチしたくなったから♪」
私が掲示板にメッセージを載せたタイミングがばっちりだったようだ。「とりあえず」でサイトを覗いた自分を褒めたいと思った。
平日の夜8時だというのにホテルはどこもいっぱいで、空き室を見つけるのも苦労するほど。
「すごいねぇ、みんなこんな時間からエッチしてるんだねぇ~」
気分が盛り上がってきたのか、ミキはなんだか嬉しそうだった。