長崎県諫早(いさはや):ソープなし県にあったパツ屋 ~ニッポンの裏風俗~


 筆者はたしか「2階の…」と「サザエさん」の2軒に上がったが、両方とも店内は真っ暗闇。普通の本サロだと、テーブルライトやミラーボールの灯りで薄ぼんやりとは見えるのだが、ここはそれもなかった。

 歩くときは「女のコ」が懐中電灯で足元を照らしてくれるので転びはしなかったが、お相手の年格好の判断材料は、声と肌の質感だけ。

 さすがに男ということはないだろうが、ひょっとしたら、挿入したのはアソコではなく、曲げた膝間接の裏だったというオチもなくはない(笑)。なんとも奇妙な風俗店だ。

 店内が真っ暗な理由は、もちろん「顔バレ防止」もあるが、同時に熟女バレやブスバレ防止の方が大きいに間違いない(笑)。それでも営業できていたのは、「風俗のない県」だったからだろう。残念ながら、令和の到来を待たず、10年ほど前にはほぼ全てが閉店してしまった。

 

 

 ここでひとつの疑問が湧いてきた。


風俗に厳しい長崎県で、遊郭跡でもない諫早に、なぜ裏風俗があったのか?


 気になって調べてみると、意外なことがわかった。

 前述のとおり、長崎には大きな遊郭があったものの、諫早に関してはその記述がまったく見つからない。つまり、遊郭や赤線跡ではないということ。ただし、いくつかのブログなどに「かつてその付近に遊里(遊郭など)があったらしい」という記述を見つけることができた。

 地図を見ると、店の周辺に神社や寺があることから、諫早にはかつて岡場所(遊郭ではない非公認の私娼街)があったのではないだろうか。

 岡場所は、寺社仏閣に詣でる参拝客を目当てに作られ、他県でも門前町に裏風俗を見つけることは少なくない。ということは諫早も、岡場所→青線→パツ屋という流れだったのかもしれない。

 だとすれば、江戸時代もしくは明治、大正から平成まで生き残ってきた風俗がなくなってしまったのは、残念至極と言わざるを得ない。

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