長崎県諫早(いさはや):ソープなし県にあったパツ屋 ~ニッポンの裏風俗~

 以前、青森の一発屋旅館に行った時、旅館の女将が標準語で喋る筆者を怪しんだのか、部屋に案内しながら聞いてもいないのにボソッとつぶやいたセリフを時々思い出す。


「青森はソープランドがないから、ウチみたいなとこがあるの」


 そうか、裏風俗の経営者は自分の商売をそういうふうに位置付けているのかと思ったものだ。その考え方は、今回の裏風俗店にも同じように当てはまるだろう。

 九州の中で唯一、青森や山形、長野と同様にソープランドがないのが長崎県だ。かつては島原や丸山といった有名な遊郭があったが、売春防止法施行と共にきれいさっぱり消滅した。いくつかの風俗店が残っていても良さそうなものだが、長崎市ではそれも許されなかったのだろう。

 しかし、裏風俗が残った街もあった。それが、長崎のお隣の諫早市(いさはやし)だ。諫早駅と本諫早駅周辺には、本サロ風のちょんの間が残っていたのだ。特に、本諫早駅近くの門前町には複数の店があった。

 

 九州地方では「本サロ」という概念がない地域があり、本番ありの風俗店は「パツ屋」や「本番店」などと呼ばれている。諫早のここもやはり「パツ屋」だった。

 個性的なのはその店名で、「やわらちゃん」や「サザエさん」に「2階のお姉さん」など、マンガやアニメを連想させるユニークなもの。ひょっとしたら同じ経営者だったのかもしれないが、今となっては調べようもない。

 

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