その40代の男性は、
「街並みを撮るのが趣味なんです。飛田新地は古い建造物が多くて撮ってみたい街並みのひとつだったんですが、普段は絶対無理なので…。全店営業自粛と聞いて、休みをとってきました」
と低いテンションで話してくれた。テンションは低いが、楽しくて仕方がないという雰囲気ではある。なるほど、G20は歴史的街並み撮影の千載一遇の好機を写真愛好家に与えてくれたわけだ。ちなみに、飛田新地で遊んだことはあるかと聞くと「ありません!」と即答だった。
思わず「ないんかい!」とツッコミそうになったが、これは飛田新地が歓楽街としてだけでなく歴史的価値のある街並みでもあるという証左でもあると言えよう。まあ、1回くらい遊びに来てもいいと思いますよ。
そうそう、歴史的価値といえば、忘れてはならないのが『鯛よし百番』だ。
大正時代に建てられた遊郭の建物をそのまま(本来の意味の)料亭として使っており、国の登録有形文化財としても登録されている、まさに歴史的建造物なのである。
その『鯛よし百番』は営業しているのだろうか…と思い行ってみると、店先には予約者様ご一行の名前がしっかり掲示されている。こちらはしっかり営業しているようだ。なお、すぐ近くのたこやき屋は他と同じ告知ポスターを貼った休業状態だったが、料亭の並びにある大衆居酒屋は元気に営業していた。この違いはなんだったのだろうか。