■深夜の砂漠で出会った白人の南アフリカ人女子
ディスコをいくつかまわってみたが、いまひとつ気分が盛り上がらなかった。アフリカバーンも気づけばもう終盤。この日からアートを燃やし始めていた。
なんか大きい火があがってるな…。そう思ったら、この日のメインイベント「クラン」のバーンだったらしい。
クランのバーンは見逃してしまったが、焼け跡を見に行ってみることにした。
ぼーっと火を眺めながら座っていると、隣に女の子が座ってきた。20代後半とおぼしき白人女性。ぼくと同じように1人で火を見つめている。
白人女「あなたまだここにいる? 10分で戻ってくるからこの場所とっといてくれない?」
そう言い残して彼女は立ち去った。なんなんだろう。
火を見つめながらしばらくぼーっとしていると、彼女は戻ってきた。
白人女「ありがとう! あなたどこから来たの? 名前は?」
白人女「私? 南アフリカ人よ。友達20人くらいの団体で来てるの。でも皆それぞれパートナーのことばかり気にしてて、全然面白くないのよ」
クランの燃え跡を見つめながら、楽しくないと語る彼女。ほとんどの時間火をぼんやりと眺めていて、時折ポツリポツリと口を開く以外は静かだった。