24時15分頃、フィナーレが終了し、一旦幕が閉じるも、再度幕が開き、踊り子全員が登場。お客さんをみんなで見送ってくれた。
24時20分頃、劇場を後にする。
丸1日、取材した感想をまとめると、ストリップ文化がなくなっていくのは「もったいない」、この一言に尽きる。「時代の流れ」というが、残念でならない。
取材中、私が編集長を務めた雑誌『俺の旅』が休刊したことを思い出した。ストリップもエロ本も、昭和から平成に掛けての大衆文化だが、時が経つにつれて消滅していくのはやむをえないのだろうか。
ストリップはまさに「裸のお祭り」「ヌードカーニバル」である。「現世の楽園」「男達のパラダイス」と言ってもいいだろう。
踊り子たちの志が高く、客の敷居が低い「大衆芸能」としてこれからも少しでも長い間、残っていってもらいたい。
ただそれだけを願うのであった。
現在、国内には20軒のストリップ劇場が残っている。温泉場は「伊香保」「熱海」「芦原」「道後」の4軒。他は「栗橋」「蕨」「浅草」「上野」「池袋」「新宿」「渋谷」「川崎」「横浜」「大和」「まさご(岐阜)」「東寺(京都)」「東洋(大阪)」「晃生(大阪)」「広島」「小倉」の16軒。ストリップの少しでも長い存続を願ってやまない。
(取材・文=生駒明)
※著者プロフィール
【生駒明(いこま・あきら)】
1973年、愛知県生まれ。全国各地の歓楽街に足に運び、地方の風俗情報に明るい。長年にわたって「俺の旅」を世に送り続けてきた日本屈指の風俗通。現在も「俺の旅」のウェブ版となる『俺の旅web』を更新中。