「ちなみに、モカちゃんは男性経験は多い方なの?」
「どうですかねー。10人超えてると思いますけど」
「あはは、十分だよ。そういう行為に関してはあんまり抵抗ない?」
「そうですね。どちらかと言えば好きですー」
世間的に見れば、
「そもそも風俗で働こうとしている時点で、性的な行為に抵抗なんてあるはずないだろ」
と思うだろうが、実は行為自体に嫌悪感を持っているコも少なくない。
そういう女のコは、基本的に接客に身が入らず、売れることはほとんどない。
それは、お店にとっても女のコにとっても不幸ことだ。
「フェラとか、そういうのは経験ある?」
「ありますよぉ。えっと…素股?もできます!」
「素股ができるのはすごいね!」
「前に付き合ってた人から教えてもらいました。風俗ではみんなやってるんですよね?」
「そうだね。向き不向きはあるけど、基本プレイのひとつだよ」
「そうなんですねぇ。でも、ちゃんとできてるかは分からないです。その人にしかやったことがないので…」
頭の中で「ここだっ!」と言う声が聞こえた。
「ウチの店では、一応、未経験のコは講習することになっているから、その時に教えるよ」
「あっ、そうなんですね。それじゃあ、よろしくおねがいしますー」
モカは特に嫌がる素振りも見せず、講習を承諾した。
こうして、面接が終わると、すぐにホテルに向かうことになった。
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