――出演した女優さんとの共演経験は?
大島:みなりお(南梨央奈)ちゃんは何度か共演していますけど、るるちゃんは初めてでした。ふたりはとても良いバランスでしたね。セックスのハウツー物で大切なのは、女のコのサポートなんです。僕が言ったことに女のコが共感を持ってくれれば、撮影もスムーズにいきます。
それから、女のコたちの反応によって僕の中にも閃きが生まれるんです。みなりおちゃんは頭の良い子で、いつも前向きにやってくれるので頼りになりました。るるちゃんはとても素直で、口数は多くありませんが、ここぞというときに助けてくれましたね。ホント、ふたりで良かったと思います。
――事前におふたりとはコミュニケーションを取ったんですか?
大島:僕は普段から本番前には必要以上に女優さんと接しないタイプなので、そこは今回も変わりませんでした。カメラを回しつつ、その場のインスピレーションでコミュニケーションを深めていった感じですね。
――それでは、VRのレッスンメニューごとにお話を聞きたいと思います。まずは「キス」からお願いします。
大島:僕は昔から「キスに始まり、キスに終わる」ことが素敵だと思っています。たとえば、AVには「即挿れ」というジャンルがありますけど、あれはあくまでもエンターテイメントで一種のショーです。だから、普通のセックスでは参考にしてほしくない。セックスで大事なことは相手を思うこと。キスをすれば相手の気持ちを確かめられますので、ちゃんと時間をかけてキスをしたほうがいいと思います。
――キスをしているだけでも、相手の高まりは伝わりますからね。
大島:伝わりますし、高まりを誘うものでもあります。ただ、キスのテクニック的なものは問わなくていいと思っているんです。キスはセックスの段階に入っていくひとつのスイッチですし、そこでテクニックに走ると虚しくなるのかなと。それより相手のことを舌づかいによって感じてあげたほうがいい。自分の気持ちも伝えられますから。
――キスの大切さは男優を始めた当初から感じていたことですか?
大島:初めからではなく、年々変わってきました。今年の5月13日で男優歴29年目に入ったんですけど、その間に経験させて頂いた中で徐々に募っていったものです。
――大島さんが男優を始めたころは、キスを蔑ろにする監督さんもいたんじゃないですか。
大島:いましたね。男優は後ろに隠れるべきだと言う監督さんもたくさんいました。僕らは監督さんの言葉は守らなければいけないので、まったくキスをしないこともありました。まあ、作品としてはいろんなことをやりますけど、仕事を離れればひとりの男なので、そこはコミュニケーションを大事にしたいと思っています。いきなり挿入なんて無粋なことはしたくない。相手が「今すぐブチこんで!」と言うなら別ですけどね(笑)。
セックスって体を使ったコミュニケーションなので、相手の気持ちを慮りつつ自分を盛り上げていけばいいのかなと。男って最初から興奮することもありますけど、女性は緩やかに高まっていくと思うんです。僕としては、その女性のなだらかな曲線に沿うようにしてあげたいですね。