さっきより幾分マシにはなったが、歯が当たらなくなっただけ。“咥えているだけ”で、まったく気持ち良くなかった。
「その状態で、頬をへこませる感じで吸ってみて。唾液をすする音とかが出せればもっといいかな」
この言葉にユアは
ぢゅっ…ぢゅるる…ぢゅるる…ぢゅるっ
と下品な音を立てながら、ゆっくりペニスを吸い始めた。
これで、風俗での“人並みに気持ちいいフェラ”の体裁は整うだろう。
「それじゃあ、このままフィニッシュまで頑張ってみようか」
彼女の目を見てそう話すも、ユアは目を合わせようとしないばかりか、不機嫌そうですらあった。
じゅぽ、じゅぽ、じゅぷ…ぢゅるるっ。
しっかりペニスをしゃぶるユア。
コミュニケーションに難があるし、そもそも風俗の仕事を嫌がってはいるんだろうが、頑張ろうとしていることだけは分かった。
そのうち、“健気だと思えないこともない”このシチュエーションに興奮してきた。
その結果、何の前触れもなく、いきなり彼女の口の中にザーメンをぶちまけてしまった。
「うっ、出る!」
「んんぅっ!? うっ…ごほっ、ゴホッ!!」
突然の口内射精に咳き込み、涙目になるユア。
「ごめんね。大丈夫?」
「口の中に出すなら、ちゃんと言ってもらわないと困ります…」
そりゃそうだ。完全にこちらが悪い。だが、
働き始めたら、こんなハプニングもあるかもよ…
なんて、自分勝手な言い訳がアタマに浮かんでしまうのであった。
(文=小鉄)
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