地方なのでライバルがいなかったのではなくて、ニューハーフだったから相手にする人が少なかったよう。初めてメッセージを見たときの自分の状況を振り返ってみると、私にとって大変都合のいい文言を見て完全に浮足立ち、きちんとプロフを確認していなかったことを思い出した。
とはいえ、ホテルも予約したし、今さら約束を破るのも申し訳ない。話のタネにニューハーフとお酒を飲んで、テキトーなところで帰ればいいか…。
私は覚悟を決めて、ホテルにチェックインした。
彼女とはホテルの外で待ち合わせ。薄暗い路地にやって来た彼女は、私と同じくらいの身長で、ホットパンツがよく似合うかなりスレンダーな体型。顔は普通に女性だったが、声はちょっとだけハスキーだった(笑)。
軽く挨拶して近くの居酒屋へ。そこで彼女のことをいろいろ聞く。普段から女性の格好をしているらしく、仕事は普通の会社員だとか。見た目も社会的な立場も完全に女性という感じだった。
しかし、食べっぷりも飲みっぷりもよく、その豪快な姿を見ると「なるほど」と思った。ちなみに彼女は、女子用のトイレを使っていた。
いい感じに酔ったので店を出る。そこで二軒目を探したが、田舎なので小洒落たバーなど簡単に見つからない。私達はコンビニでワインとツマミを買い、ホテルに戻って私の部屋で飲むことにした。
狭いビジネスホテルのため、ふたりでベッドに並んで座って飲み始める。すると、どんなきっかけだったか忘れたが、彼女がいきなり私に馬乗りになって座位のような体勢になった。
身長が同じくらいなので、彼女が私を見下ろすような感じで見つめてくる。そのアツい眼差しを見返すと、「キスされる」と思った。その瞬間、激しいキスをされた。