同じ頃、ピンクサロンの登場以降、新たな風俗が現れない代わりに急増したのが、「モーテル」だ。
これは、東京オリンピック直後から始まった、日本のモータリゼーションの時期と重なる。自動車が庶民の手の届く価格になったことで、“ドライブ”という新たなレクリエーションが生まれ、業界はその中にモーテルでのセックスを織り込んだのだった。
暴走族と間違われそうな名前の「目黒エンペラー」や、今では関東・東海地方に複数展開するラブホテルグループ「アイネ」の1号店もこの頃に誕生している。
この数年後、ニッポン風俗に大革命を起こした、あの伝説の店がオープンすることになるのだった。
(文=松本雷太)