話は20年ほど前、僕がマニア誌出版社で熟女専門誌の編集に携わっていたころに遡ります。
「モデル募集の広告に年齢不問って書いてあったでしょ? だから話だけでもと思って、あはは」
その日、面接にやってきた富子さんは、なんと御年70歳のお婆ちゃん! 熟女専門誌に出てくれる40〜50代の素人熟女を募るため、確かに募集広告には「年齢不問」と記載していました。でもまさか、60代を通り越して70歳のお婆ちゃんが来るとは夢にも思っていなかったもんで、そりゃもうビックリでしたよ。
とはいえ、畑仕事をしているモンペ姿のお婆ちゃんや、八百屋で買い物してる背中が曲がったお婆ちゃんを想像すると、それはチト違うかも。富子さんは、身の丈は150センチほどで、ちょいポチャながら背筋がしゃんとした、お喋り好きの超明るいお婆ちゃん。さらに、このお婆ちゃんの口から飛び出る武勇伝がすごかったんです。
「昔はねぇ、こう見えて乱交パーティにも参加したことがあるのよ」
「2番目のダンナが変態でね(笑)。ポルノ映画館に連れて行かれて裸にされたりね」
しかも、過去の話ばかりかと思いきや、
「そのダンナは5年前に亡くなって、今は別のパートナーとたまにね。といっても、その人も68歳だからほとんど勃たないんだけどね、あはは」
現在進行形で老老セックスを楽しんでるって言うじゃないですか。正直、話としては超面白いと思いましたよ。でも、目の前に座ってる富子さんを裸にしてハメ撮りって想像はつきませんでした(笑)。なもんで、彼女にお帰りいただいた後で編集長に報告する際も、
「いやぁ、すごいお婆ちゃんでしたねぇ。記事にしたら面白そうですけど、さすがに70歳のお婆ちゃんのハメ撮り写真を載せるわけにもいかないっすよね、あはは」
と、モノクロ頁のインタビュー企画に出てもらったらどうかと提案したんです。ところが!
「あのね、川田くん。そんなこと言ってるからいつまでもヒラ編集なのよ。ストライクゾーンを大きくはみ出す気持ちがなきゃ、いいマニア誌は作れねーぞ」
編集長のこのひと言で、富子さんを相手にハメ撮りすることになってしまったんです!