性欲の強い者にとって結婚は、ある意味、拷問かもしれない。
相手はひとりに限られ、しかもそのお相手が毎日自分の欲望に応えてくれるとは限らない。
かといって、外にそういった関係を作ることを、結婚相手も世間も許してはくれないだろう。
風俗業界に、そんな性欲を持て余した人妻が入ってくることは珍しくない。
彼女たちにとって風俗は、自分の欲望を満たしてくれる上にお金まで貰える、一石二鳥な居場所でもあるのだ。
【風俗嬢と体の関係~なつねの場合~】
本格的な暑さは過ぎたものの、まだまだ気温は下がる気配を見せない9月半ば。
客足も夏に比べ落ちついたもので、私は来たる11月の閑散期に向けてキャストの面接に明け暮れていた。
「よし、今日は次のコで最後かな」
この日、すでに2件の面接をこなし少し疲れていたが、最後のコが本命、
完全未経験の23歳の人妻だった。
上手いこと丸め込んで、じっくり講習させてもらいたい! なんて下衆な妄想に浸っていると、面接室の扉を叩く音がした。
「はい、どうぞ!」
「失礼しますー」
入って来たのは、黒髪の美人。165cmほどの女性としては長身で、モデルのようなスラッとしたスタイル。芸能人で例えるなら、菜〇緒をもう少し優しい雰囲気にした感じだった。
「うわっ! すごい美人さんだね!」
「えっ、ええっ!? そんなことないですよ…」
「いや本当に! よく言われるでしょ?」
「い、いえ、そんな…。ありがとうございます…」
褒められ慣れていないのか、単にコミュニケーションが苦手なのかは分からないが、多くの男性が好きそうなウブな反応だ。これだけ美人なのに押しに弱そうな雰囲気も、お客さんにウケるだろう。