そのソープランドは縦長の小ぎれいな建物で、入るとすぐに受付があった。女のコの写真はないということだったので、「待ってもいいので、サービスのいいコで」とお願いして、総額1万2000円を支払った。
待合室は、壁にかかった大きなテレビとアイボリーのソファという、とても格安店とは思えない明るい雰囲気のインテリア。オシャレなヘアサロンにきている感じで、もちろん昭和感なんか微塵もなかった。
20~30分ほど待ったところで早くもご案内となり、
「なんだ、早いな。適当な女のコ付けられたかな?」
内心そう思った。しかし、
「いらっしゃいませ~」
甘いハスキーボイスでお迎えしてくれたのは、大量のバスタオルを抱えたスレンダーな美女だった。
正直、もっと太めのおばちゃんを覚悟していただけに、「ラッキー!」と、こっそり拳を握りしめ、美女と一緒に上階にある個室へと階段を上がっていった。
部屋は予想通りの狭さで、マットを置くスペースもなかった。ベッドも狭いし、湯船は家庭用だ。
ふと見ると、風呂とベッドルームを仕切る高さ30センチほどの小壁の上には、紙コップが三つ並んでいた。その上には歯ブラシが並べられ、すでにチューブから出した歯磨きまでついているのだった(笑)。
「うちのお店は初めてですか?」
そんな、ありきたりのおしゃべりをしながら服を脱がせてもらい洗い場へ。
ウエストがキュッと締まった愛想のいいハスキー美女は、若干張りのなくなったおっぱいを背中に押しつけてカラダを洗ってくれた。
「ボディ洗いは普通だったし、この後は風呂に入って、ベッドで一発やって終わり。まっ、格安ソープなんてそんなもんか…」
そんなことを思いながら風呂に浸かり、
「ンああァ~…」
と、自宅の風呂では出したことのない大きなため息をつくと、ハスキー美女は例の歯ブラシとリステリンを渡してくれるのだった。