――本業である風俗の方で稼がないと、タレント活動にも支障が出てきてしまうのでは。であっても、お金ではなく、必要とされてるか否か…?
山村:私がタレントをやってる理由は…頭おかしい人だと思って聞いてほしいんですけど…、タレントとして有名になりたいとか、ちやほやされたいとかじゃないんですよ、そもそも論で。
――というと?
山村:なんでイイ歳してアイドルのまねごとやってるのかっていうと、風俗始めて何年か経った頃、風俗業界が大好きになってきたんですよ。この業界に身を置かせてもらったことによって、メシ食ってこれたんで。
でも、ふと気づくと、後から入って来た若い人たちは、この仕事にすごいマイナスな気持ちを持ってることが多いんですよ、女のコも従業員も。「どうせあたし風俗嬢だし」とか、「言っても自分、風俗の従業員じゃん」とか、自己評価が低いコがたくさんいることに気付いて。「私たち、そんなに悪い仕事してないよ。合法店で働いてるんだから大丈夫だよ」って思うんですけど、まっ、考えるものは仕方ないなと。確かに、タレント業でも風俗嬢ってだけで蹴られちゃう仕事も実際あるし、世間の目ってのはそういうもの…。
――タレントの仕事が…?
山村:そうそう。オファーがあった仕事でも、「あとでプロフィール見たら風俗嬢って書いてあったんでごめんなさい」とか、「スポンサー、降りちゃいます」とか全然あって。やっぱ、世間の目ってそうなんだなって思った時に、「ほんじゃあ、私が先頭に立って出ますかね」みたいな。
「風俗嬢だって、こういうことやりますよ」って言う人が出てくれば、後に続く誰かがいるかもしれないし、出てきちゃったことで、使ってくれる企業もあるかもしれない。おもしろがるやつらもいるかもしれない、って思ったんですよ。それでやってるんです。
――業界や女のコのアピールのためということ?
山村:風俗業界の意識の底上げです。世間に対しても、中にいる人に対しても。ただ、もうちょっと若くて、ビジュアルがいいコだったら良かったんですけど、そんな変わったことやるやついなかったんで、「それじゃあ、自分でやるか」って(笑)。
――自ら立ち上がったと。
山村:その後Twitterを始めたんですけど、それも、写メ日記って女のコがやってるブログの写真を、せっかくだからTwitterにも載せるか程度で。それがリツイートされて、フォロワーが2000人くらいになると、今度はいろんなお仕事を紹介してもらえるようになったんですよ。
「Twitter見てプロフィール拝見して面白そうな方なんでこういった仕事できませんか」みたいな、私が思い描いていた感じになってきたんで、「それじゃあキャッチコピーとかつけちゃいましょう」ってっことで、“その気になったら裸で触れ合える現役風俗嬢タレント”って名乗って今に至ります。
――ブログに「今まで心も病まずに」と書かれていたんですけど、そういうモチベーションがあったから病まずにやってこれたということですか?
山村:もあるし、運が良かったのかな。もちろん性格とか、いろいろな原因はあると思います。