イチカは風俗で働いたことのない、いわゆる業界未経験キャストだった。
大人しい彼女は、あまり人付き合いが得意ではないらしく、そもそも接客業の経験すらないという。
接客の基本である「お客様に挨拶する」ということさえほぼ初めてという彼女をなぜ雇ったのか。それは、彼女の見た目とプロフィールにあった。
イチカの容姿は、高級店に相応しいレベルの高いものだった。薄いナチュラルメイクで整った顔立ち、細身ながらもDカップある形の良い胸、細く長い脚、色白の肌…、値段相応かそれ以上のルックス。
この日の服装はニットにデニムという色気のない格好ではあったが、こちらで服を準備してやれば、たちまち男性の視線を集める女性に早変わりするはずだ。
このレベルの高い見た目に加えて、プロフィールには衝撃的な内容が書いてあった。
■セックスが大好き。
■男性経験100人以上。
正直、目の前にいるこんなにおっとりしたコが、本当にそんな内面を隠し持っているのか疑わしくはあった。しかし、このことについて質問した時に見せた艶やかな表情を見て、少し信じてみようと思った。
「イチカちゃんって、セックスが好きなんだよね?」
「あっ…はい」
「いま話してる感じだと、あんまりそんな風には見えないんだけど…」
「やっぱりそうですか…」
「やっぱりって?」
「いつも男の人に言われるんです、普段とベットで全然違うって」
「へぇ、そうなの?」
「なんかベットで裸になると、すごくスイッチが入っちゃって、頭がクラクラしてきて…。自分でもよくわかんないくらい興奮しちゃうんです」
「なるほどね、それでセックスが大好きになっちゃったと」
「はい…。でもやっぱりダメでしょうか…」
この時のイチカの表情は、明らかに今までとは違った。それは、完全に淫乱なメスの顔だった。
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