オーナーの話を要約すると…。オリンピックに向けて外国人観光客が増えると、日本の風俗店を利用する外国人も増える。そんな中で日本が売春を容認している国家だと思われてはマズいということで、お上が取り締まりを強化する動きがあるため、組織ぐるみで本番営業していた裏デリが、真っ当な表デリとして営業するようになっているって話らしい。
「でもさ、本番店だから女の子の質は悪いじゃない」
確かに。悪く言えば、ヤラせないと稼げない子たちが集まってる印象ですからね、裏デリって。
「で、そんな店が本番させなくなったら、もう価値ないじゃない?」
ですよねー。それで?
「どうせ本番できないなら、可愛い子がいる店の方がいいってことで、ウチにもお客が流れてきてるんだよ」
なるほど、と納得していると、突然何かを思い出したオーナーが「あっ、そういえば…」と話を振ってきたんです。そう、前置きが長くなりましたが、ここからが今回の本題です。
「昔、川田くんの雑誌でモデルをした人妻を、ウチに紹介してくれたことがあったよな」
「確か…チカちゃんって主婦でしたよね。その節はご迷惑をおかけしました(笑)」
それはオーナーと知り合って2年ほど経ったころ、今から8年ほど前の話だ。
いつものようにマニア誌の撮影で、ラブホで1対1のハメ撮りをしていたときのこと。相手はモデル募集の広告を見て自ら応募してきた、当時27歳の人妻、チカ。見た目はかなり可愛らしいが、元ヤンの過去を隠して公務員の夫をゲットしたというヤリ手の人妻だった。
「ダンナのエッチがつまんなくて(笑)」
と、刺激を求めてエロ本モデルに志願したと言うチカ。それだけにめっちゃエロくて、撮影は大盛り上がり。写真を撮られながらのセックスに「興奮したわぁ」と、彼女も大満足の様子だったが…。
帰り支度をしながら、チカがこんなことを言い出した。
「川田さんって、風俗店の知り合いとかっているんですか?」
「えぇ、いるにはいますけど?」