風俗という仕事に今現在携わっている、もしくは携わったことがある女性は、ある統計によるとおよそ30人に1人の割合なんだとか。学校でいえば、クラスにひとりは風俗に関わったことのある人間がいるイメージだ。
何が言いたいのかというと、風俗嬢として働いている女性は、芸能人のように特別な存在なんかじゃなく、実際にはもっともっと身近な存在ということだ。
今回紹介するのは、私の“身近な人間”が面接に来た時のお話だ。
【風俗嬢と体の関係~美月(ミツキ)の場合~】
「あ、あの…ユウスケには言わないで…」
面接に来た女のコは、今にも泣き出しそうな顔だった。
他人行儀に“面接に来た女のコ”と書いてみたものの、実際は顔見知りどころじゃなく彼女のことはよく知っていた。彼女は、
私の友人の奥さん、美月(ミツキ)だった。
その友人と遊んだり飲みに行く時に、彼女ともよく顔を合わせていた。
世間は狭いってことを、まさかこんなカタチで実感するなんて…。
「大丈夫、黙っておくよ。俺だってふたりに別れて欲しいとか思ってないし」
「あ、ありがとう…」
「とりあえず、身バレしないようできるだけ考慮するよ。NG地域を設定したり」
「み、みばれ…? NG地域…?」
困ったように首をかしげる美月。
「美月って、風俗で働いたことあるの?」
「ううん、ここが初めてなの」
「えっ、未経験なの!?」
「うん…やっぱり経験がない人は難しいのかな?」
ドクンと胸が大きく鼓動を打つのが分かった。
未経験なら言い包めて、
好きにできるかもしれない!
いけないことだと分かっちゃいるが、湧き上がってくるドス黒い欲望に抗えなかった。