「でも、あの数の本指名を返すなんて、さすがソープ仕込みの接客は違うね」
「ソープはすごく厳しくて、徹底的に教えられましたねぇ」
「想像するだけでも大変そうなのが伝わってくるよ」
他のキャストに比べてメイとは顔を合わせる機会が少なかったのだが、ソープの出勤時間の変更など頻繁に連絡を取っていて、むしろ仲は良い方だった。
こうしてふたりで飲みに来るのは初めてだったが、ちっとも居心地は悪くない。
ふたりとも酒が進み、ほろ酔い気分で会話が弾む。
「メイちゃんみたいに美人なコがソープで出てきたら驚くだろうね」
「えぇ? どうしてですか?」
「いや、美人だし胸大きいし、テクニックもあるってお客さんから評判だからね。こんな大当たりのコがいたんだ!ってびっくりする」
「店長は相変わらずお世辞がお上手ですねぇ、うふふ」
「お世辞じゃないよ。俺もたまーにだけどソープに行くんだ」
「おー、それは意外ですね。そんなにエッチ好きなんですか?」
「うーん、本番というよりマットプレイが好きなんだよね。あのヌルヌルがクセになっちゃって…」
ここでメイの顔つきが少し艶っぽく変わった。
人を舐めまわすような目つきで、対面から私にグッと顔を近づける。
「うふふ。じゃあ、試してみませんか?」
「え…っと、どういう意味?」
「マットのあるホテルならしてあげますよ、マットプレイ」
「…マジ?」
「はい、マジです。日頃お疲れの店長にサービスですよ♪」
ぜひお願いしますぅぅぅう!!
…と言うわけにはいかないので、平静を装いつつ
「それじゃあ…お願いしようかな」
と、余裕ぶった態度を取った。
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