だが、M子の懸念どおりT子は陰気なオーラを放っており、友人たちはスルーを決め込んでしまう。幹事のオレは責任を感じ、彼女の相手をすることにした。結局、その日はオレにとって苦痛でしかなく、悪夢のような時間となってしまった。
さらに、帰り際にM子が余計なことを言う。
「T子、Sさんと連絡先交換しなくてええの?」
オレは「ヒェ〜ッ、勘弁してくれぇ」と内心思いながらも営業スマイルで連絡先を交換。女の子たちと別れた後、男だけで居酒屋で飲んでると早速T子からLINEが入った。
「今日はありがとうございました〜♪ Sさん優しくて緊張せずに楽しく過ごせましたぁ」
これにオレは「こちらこそありがとう。T子ちゃんを独占してもうた。ごめんな」と返す。M子の友人ということで、大人の対応を心がけたのだ。その後、友人たちと深夜までガンガン飲んだ。
次の日、ふたたびT子からLINEが入った。
「Sさん、おはようございますっ! 何してるんですか?」
「まだ寝てた。ちょっとコンビニへ行って飲み物と食料を調達してくるわ!」
「私、買っていきましょうか?」
二日酔いでフラフラなオレはこの誘惑に負け、お願いすることに…。