「あっ、失礼しまーす」
「どうぞー。かけてもらっていいですよ」
扉から入って来たのは、胸元まで伸びる明るい茶髪の、可愛らしい顔の20代前半の女のコだった。
服装はピタッとカラダのラインを強調するもので、露出が多いヘソ出しスタイル。ミニスカートからスラリと伸びる脚が美しい。
薄めのメイクがゴリゴリのギャルになりそうなところを和らげ、優しい雰囲気を醸しだしていた。
うおお、なんかエロいなこのコ!
「エリでーす、よろしくお願いしまーす!」
愛嬌のある喋り方で、声も可愛らしい。
見た目だけなら、即採用レベルだ。
「さっそくだけど、エリちゃんはなんでこのお店に?」
「実はここで友達が働いてて、めっちゃいいよって紹介されて」
「あっ、そうなんだ。ちなみに名前は?」
「あずさってコと、いずみってコです」
おおう…。よりにもよって昔3Pをしたあのコたちの友達か…。
きっと、カラダの関係バレてるんだろうなぁ。
なんて心配しつつ、会話を続ける。
「そっか…。あのふたり、なにか言ってた?」
「すごくいいお店だし、店長さんもいい人って言ってましたよ!」
「そ、そう? なんか変なことでも吹き込まれてるんじゃないかと思った(笑)」
「いえ、なんにも。っていうか、変なこと言われてたら面接しに来ませんよ(笑)」
なんだ、特に問題はなさそうだ。
ホッと胸をなでおろし、あとは講習に話を持って行けるか探っていく。
「ところで、エリちゃんはデリヘルは初めてなの?」
「そうですね。っていうか、風俗で働くのが初めてです(笑)」
「えっ、未経験なの?」
「はい…。昔はあずさやいずみと援交とかしてたんですけど、お店で働くっていうのは…」
そういえば、あのふたりも出会い系を使った援交上がりで未経験だったな…。
なんにせよ、未経験なら話がしやすい。
「未経験の女の子は講習を受けてもらう決まりになってるんだけど、エリちゃん大丈夫かな?」
「講習って…接客の練習みたいなものですか?」
「うん。やっぱりお店のお客様を相手にするとなると、キチンとした手順が必要になるからね」
「確かにそうですよねー…わかりました、大丈夫です」
特に考え込むこともなく、エリは私の提案に従った。
毎度のことながら、「未経験は講習の決まりがある」というパワーワードにはお世話になっている。この店にそんな決まりは一切ないんだけどね(笑)。
従業員名簿をはじめ必要書類にサインを終え、エリと私はラブホテルに向かった。