「なんか…思ってた雰囲気と違いますね!」
「あはは、そう? どんなイメージだったの?」
きょろきょろと周りを見渡し、少し興奮気味に話すカズミ。
話を聞くと、漫画やドラマで見るような怪しくて薄暗い、いわゆるアンダーグラウンドな場所をイメージしていたらしい。
「それじゃあ、さっそくお仕事の内容を説明していくね」
「あっ、はい! お願いします!」
こうして、ひょんなことからコンビニ店員の風俗面接が始まった。
…
……
「ざっとこんな感じだけど、どうかな?」
「お話だけ聞いてると…いけそうな気がします(笑)」
「えっ、まじ?」
「お客さんに満足してもらえるかは分かりませんが、頑張れそうな気はします」
まさかのできます宣言。
彼女の容姿と性格なら間違いなく人気も出るだろう。
なんとか入店しやすいように、かつ講習ができるように言いまわす。
「一応、未経験者には俺が講習を行うのが決まりなんだけど、大丈夫かな?」
「講習っていうのは?」
「簡単に言えば、俺がお客さん役で一通りお仕事を実践してみるってことだね」
「おお…。店長さんとって、なんだか恥ずかしいですね」
「顔見知りだからね(笑)。でも、ぶっつけ本番でお客さんの前に立つと頭が真っ白になっちゃう子が多くてさ」
私欲でやっているということがバレないように、なんとか体裁を保ちながら口説いてみる。
すると、ついに彼女は
「わかりました! よろしくお願いします」
と、首を縦に振った。
「それじゃあ、講習なんだけど、カズミちゃん今日は予定何もないんだよね?」
「そうですね」
「じゃあ、面接終わったらそのままホテル行こうか」
「きょ、今日ですか?」
「うん? なんか都合悪かった?」
「え、いえ…だ、大丈夫で…す」
明らかに大丈夫そうではないが、なにかあるのだろうか。
疑念は残るが、早々に面接シートを書き終えると、彼女を連れていつものラブホテルに向かった。
※※※