講習ではなく私利私欲だと思わそうだが、ガン見してしまう…。
「んふふ。小鉄さん、やっぱりおっぱい好きなんですねぇ」
「そ、そんなことないよ?」
「お店に入った後も内緒にしときますから、いっぱい触っていいですよぉ」
ぐぬぬっ! なんて破壊力ある誘惑なんだ…。
この流れなら、おそらくセックスまでもっていくこともできるだろう。
だがこのコは、部下たちと行ったキャバクラの店の娘。下手すれば、自分が手をつけたコを入店させたと思われかねない。いや、実際やってしまえば、それが事実なのだが(笑)。
なにより怖いのは、何かの拍子に「店長に胸を舐めまわされたし、エッチもした」なんて言われたら、夜逃げするしかなくなってしまう。
私はグッとこらえ、店長らしく振る舞うことにした。
「あはは、大丈夫だよ。そういうのはお客様に取っておこうね。それじゃあ、まずは全身リップから…」
…
……
結局、今後のことを考えると不安過ぎて、ゴリゴリの接客指導で終わってしまった。
なにはともあれ、たった一度キャバクラに行っただけで女性従業員を確保できたので、これはこれで成功だ。
「俺は店長として正しいことをしたんだ。うん、そうだそうだ」
ツムギが帰った後、ひとりホテルでそう呟きながら、今から呼べるデリヘル嬢をネットでチェックするのだった。
(文=小鉄)
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