そこから一旦北千住に戻り、東武線に乗り換えて向かったのが竹の塚駅だった。
なぜ竹の塚を最後にしたのかというと、以前、平日の深夜に竹の塚駅周辺をクルマで通りかかった際、午前1時過ぎという時間にもかかわらず道路は路駐のクルマだらけで、飲屋街周辺には、客引きと思しき男女があふれていたからだ。
風俗店にかぎらず、店の敷地以外での客への声かけ(客引き行為)は迷惑防止条例違反のはず。なのに竹の塚では、それがさも公然のように行われていた。北千住が新宿なら、竹の塚は、無法地帯・歌舞伎町ってところだろうか(笑)。
しかし、それならそれなりの風俗があるに違いない。期待は膨らむ。
駅東口を出ると、そこには大きなバスロータリーがある。駅西口は工事中ということもあるのか寂しい状況だが、東口も広いだけで大した賑わいは感じられない。あの無法地帯はどこなのか?
ロータリーを背に右手方向に路地を曲がると、その先にはキラキラしたネオンが見える。どうやら賑やかなのは、そこから先の2ブロック程度だけのようだ。
その看板を見ると、店名からどうやらフィリピンパブの様子。よく見ると、そのビル自体が飲み屋ビルっぽい。ちょうどそこで声をかけて来たフィリピン人のオヤジに聞くと、おもしろいことを教えてくれた。
「ココハ○◯ト△△以外ハ、フィリピンノ店ヨ。竹の塚、全部デ30軒、フィリピンパブアルヨ」
フィリピンパブが30軒!?
こんな狭い範囲に30軒って、日本一のピンパブ密度ではないか⁉︎
辺りを見回すと、自転車に乗って来た東南アジア系の女のコが、店前に自転車を駐めて中に入っていった。まるで、近所のスーパーに買い物に来るように、チャリで出勤しているのだ。
よく見ると、その店やビルの周辺には、多くの自転車が並べて駐めてある。それらもたぶん、従業員の女のコが乗って来たものに違いない。そのローカルさがまた親しみやすいのだろう。