いつものように何となく連絡して、ラブホへ行ったときのこと。特別なことはしていないが、H子の様子がいつもと違った。
しばらく様子を見ながら正常位で突いていると、
「待って！ ちょっと待って！！」
とH子が大きな声で叫んだ。
もともとSっ気のある俺は構わず続けたが、H子は混乱しているように悶える。そこで「どうしたの？」と聞くと、
「何だかよくわからないモノが込み上げてきて怖くなった」
と涙目で言う。それを聞いて、H子がセックスでイッたことがないと言っていたのを思い出した。このとき、彼女はイキそうになったのだと思う。ただ、今の俺なら面白がって仕込むところだが、当時の俺はなぜかそれ以上続けるのをやめた。
たぶん、H子の気持ちは俺に向いていたのだと思う。だから身も心も俺に預けることができ、「イク寸前」までいったのだろう。
しばらくして、「俺くんは私と付き合う気ないでしょ？ だから、私は他の人と付き合うことにしたから」 とH子は俺の前から去った。
以後、1度も会うことはなかったが、H子からはたまに連絡があった。彼女は結婚し、子供も生んだみたい。
「あれだけヤリまくってたH子が今じゃ普通のお母さんか…」
そう思うと、俺は複雑な気分になる。
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