別府風俗:昼は地獄温泉巡り、夜は天国巡りのはずが…~ニッポンの裏風俗~

別府風俗:一発屋


 今はもう「温泉風俗」なんて、ジャンルや言葉さえ死語になってしまった感があります。それでも、秋になると行きたくなるのが、温泉と温泉街と風俗なんですなぁ。

 バブル後期くらいまで“日本一のピンク温泉”ともてはやされたのが、石川県の山代、山中、片山津の、いわゆる加賀温泉郷でした。山中温泉はピンクコンパニオン遊びが有名で、かの「女体盛り」の発祥と言われる街です。

 山代温泉には一発屋が多数あり、片山津はソープランドが充実ということで、夜遊び目的の温泉客は、各温泉間をタクシーを飛ばして遊びに行ったのでした。

 しかし最近の加賀温泉は、ヌキパックの男性客より、ゴルフパックや家族旅行の温泉客が中心で、風俗街は寂れる一方。それは必然的な流れで、致し方ない現実でしょう。

 それでは、現在No.1のピンク温泉街はどこなのか。筆者の独断と偏見で言わせていただくと、


愛媛の道後温泉と、九州の別府温泉です!

 ということで今回は、別府の一発屋の話です。


 別府にはソープランドのほかに、ファッションヘルスにピンサロ、本サロ、ポン引きおばちゃんが案内してくれる一発屋と、表から裏までいろいろな風俗があり、もちろん本◯デリヘルも充実しています。「別府八湯」にプラスすること1湯が風俗ってことでしょうか(笑)。


 筆者も別府に行くたびに風俗の取材をしてきましたが、その中で一番多かったのがポン引きおばちゃんの一発屋。これまで4回ほどお世話になりました(笑)。今回はその一部始終を紹介します(笑)。

 最初に行ったのは2002年。おばちゃんたちはだいたい温泉街のアーケードの入り口や中にいることが多いですが、声をかけられたのは、その向かいのコンビニの前でした。

 

 

 最初は飲み屋のママだと思ったんですが、ナニ屋か聞いてみると、「まめ屋」だって言うんです。そういや、九州地方では一発屋とかちょんの間のことを、そう呼ぶことがあると聞いていたのでピンときたのでした。

 どんなコがいるのか聞くと、


「いいコよ~」


 と(笑)。いや、そう言うことじゃなくて、もっと具体的な情報が欲しかったんですが、第一声でそんな曖昧なことを言うってことは、レベルに関しては「聞くな」という意味を感じたのでした。

 単なる温泉遊びなら絶対入らないレベルですが、取材だったので、人身御供というか人柱というか、身を挺して情報を提供すべく潜入したのでした。

 おばちゃんに案内されたのは、すぐそばのボロボロのアパートみたいな建物。夜目にもオンボロさがわかるくらいで、マジで立ち入り禁止なんじゃないかと思ったんですが、なんと、「ビジネス旅館」という看板がかかっていました。

 入り口にネコがいて一瞬びっくりしましたが、案内された部屋でしばらく待っていると、現れたのは五十路と思しき超熟系でした。

 

 当時、40歳になったばかりの筆者より全然年上のお姉さんで、せめて同級生くらいだろうと予想したんですが、見事に玉砕させられてしまうのでした(笑)。

 料金は、お姉さんに1万5000円と、宿代はボロ過ぎてタダということはなく、確か2000円くらい取られた気がします。

 そのお姉さんの話では、「まめ屋」は「ねこ屋」とも呼ばれるそうで、だからこの旅館にもネコがいたのかもしれないっす(ウソ)。

 次に別府に行ったのは翌年の2003年で、同じ轍は踏むまいと、コンビニおばちゃんは避けてその先のスナック街へと歩を進めました。すると、すぐに声をかけて来たのが、60代と思しきスナックのママでした。


「飲むより遊ぶ方がいいんだよな」

 筆者がそう言うと、


「女のコ、呼んであげるよ」


 ママはそう言ったんです。

 話としては、ただのポン引きおばちゃんより、「スナックのママに紹介された」という方がおもしろいに決まってると、そのスナックに行くことにしました。

 店に入ると、どこかに電話するママ。一杯飲みながら待っていると、玄関から入って来たのは、真っ赤なワンピース姿の女性。ドアを閉めてから振り返った彼女の顔を見ると…、

 


四十路の熟女なのでした(泣)。


 キャンセルしようと本気で考えたんですが、どうせキャンセル料は取られるだろうし、熟女さんにも失礼。ならば、人身御供として遊ばせてもらうことにしました。

 ヤリ部屋は、またしても例のオンボロ旅館かと思いきや、飲屋街の雑居ビルの中にある、一発屋専用のレンタルルームみたいなところでした。

 前年の超熟さんよりは若いものの、やっぱり筆者よりお姉さんで、しかも豪快なテクニックと大きなアエギ声(もちろん芝居)で、「ヤッタ」というよりは、「絞り出された」という感じの1発となったのでした。

 

 仕事とはいえ、空しさを感ぜずにはいられない別府の夜でした。


(写真・文=松本雷太)

 現代ニッポンに、いまだに遊郭が残されていることをご存じだろうか。「元」ではなく、現存する遊郭としてもっとも広く知られているのが、大阪にある飛田新地であり、著書も多い。  実は、筆者も風俗ライターになるまでまったく知らない事実であった。安宿巡りの海外旅行の際、ちょんの間や飾り窓は見ていたが、まさか自分の国に、日本人の女のコがいる遊郭が残っているなどとは想像もしなかったのだ。そして、初めてその街に立ったときの衝撃は、目眩を感じるほどだった。

 「大阪から日本を変える」という革新的な政策を掲げて就任した橋下徹・新市長のおかげで、今後の動向が日本中から注目される大阪は、実は日本一の遊郭が残る街でもある。主立ったニッポンの裏風俗とその街を巡る本連載。その記念すべき第1回目は、注目の街・大阪から始めよう。

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