どんな業界でも、「世間って狭いんだなぁ」って思う出来事があったりすると思う。
風俗の世界でも、過去に利用した店のコが自分の店に入店したり、街中でスカウトしてみたら実は系列店の子だったり…。
今回は、そんな狭い風俗業界にまつわるお話だ。
【風俗嬢と体の関係~トウカの場合~】
夏も終わりを告げ、本格的な秋を迎える頃、ひとりの女のコが面接にやってきた。
どこかで見たことがある。
直観的にそう感じた。
低い身長、ハーフのように綺麗な顔立ち、伏し目がちの綺麗な瞳。
世間話しながらプロフィールにある本名に目をやる。やっぱりそうだ。
「トウカちゃんだよね?」
「えっ?」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔の彼女。
こちらが誰だか、まだ分かっていないようだ。
「○○中で一緒だった小鉄だけど覚えてる?」
「えっ、小鉄君!?」
学生の頃に比べるとこちらの顔つきも変わっただろうし、なによりそこまで仲が良かったわけでもない。同じクラスで多少付き合いがある程度だったので、覚えていなくても不思議ではない。
こちらが名前を出したことで、彼女はなんとか思い出したようだ。そして、当然の反応として、うろたえた。
そりゃそうだ。
身バレなんてしたくない風俗の面接で、店長が中学時代の同級生だったんだから。
彼女にとって、最悪もいいところだろう。