カラオケボックスという場所に妙な興奮を感じてしまうのは、私だけだろうか。
全国津々浦々、老若男女問わず利用される日本発祥の文化で、簡単に女性を個室に連れ込める場所でもある。
学生の頃、彼女と落ち着いて二人きりになれる場所として利用していた人も多いだろう。
今回は、仲の良かった店のキャストにカラオケボックスでスッキリさせてもらった話だ。
【風俗嬢と体の関係~ソラの場合~】
「小鉄くーん! ご飯行こうよぉー!」
仕事を終えてエレベーターを降りたところにソラは待ち構えていた。
ガバッと正面から抱きつかれる。
クリっとした瞳と150cmに満たない小さく華奢な体。
少し濃い目の化粧ではあるが、ケバケバしい感じのないルックス。きっとメイクを落としても可愛いはずだ。
ちっちゃなソラは、ちょうど私のへそ辺りに顔をうずめてきた。
「ちょ、ソラちゃん! くすぐったいよ!」
「おぉーん? ここか? ここがええのんかぁ~?」
楽しそうにグリグリと顔を押し付けてくる彼女をなんとか引き離す。
ソラと知り合って3カ月ほどだったが、人懐っこい彼女の性格はすぐに私たちの距離を縮めた。
私もスタッフとして働き始めて半年強で、店長からも信頼されはじめ、女性の管理を任されるようになったころだった。
その担当管理キャストの一人が、目の前で楽しそうに笑うソラだった。
「ご飯かぁ。明日は休みだし、お酒飲めるところがいいなぁ」
「あっ! じゃあさ、カラオケとか行かない? アタシ歌いたい!」
確かにカラオケなら、ある程度料理もつまみながら酒も飲める。何より個室で二人きりというのは嬉しい。
キャストの管理を任され始めてから、すでに数名のキャストと体の関係を持っていた私は、そんなことを考えていた。
「そんじゃ、カラオケに行きますかぁ」
「えへへ、やったぁ♪ じゃ、行こ行こ!」
おもちゃ売り場に来た子供のように、はしゃぎながら私の手を引くソラ。
ギャルっぽい見た目なのに、こうした行動の幼さがなんとも可愛らしく見える。
彼女のキラキラした笑顔を見ながら、私たちはカラオケのある繁華街に向かった。