風俗店で売れっ子になるキャストの特徴は、大きく分けてふたつある。
ひとつは綿密な計算と接客技術を使い、並々ならぬ努力で人気を勝ち取る実力派タイプ。
そしてもうひとつは、意図せず多くの男性の心を掴んでしまう天才肌タイプだ。
どこの風俗店も、基本的に実力派タイプが看板嬢やNo.1として君臨している。それは、天才肌タイプの女性自体が非常に稀な存在だからだ。
今回は、そんな珍しい天才肌タイプのキャストと関係を持った時の話だ。
【風俗嬢と体の関係~鈴羽の場合~】
「鈴羽。お疲れ様」
「あっ、店長! お疲れ様です」
事務所の隅でゴソゴソと荷物を整理していた彼女にねぎらいの声をかける。
今日も彼女はウチの店でトップの売上だったからだ。
ふと彼女の手元を見る。多くのキャストがブランド物のバックの中、彼女は大学生が使うようなカラフルなリュックサックに荷物を入れていた。
「鈴羽って、いつもリュックサックだよね」
「あはは、こっちの方が使いやすくて…」
照れているのか、彼女は頭をポリポリと掻いて目を細くして笑った。
彼女の性格なら、ブランド物に興味を抱かないのもなんとなく分かった。
鈴羽の容姿は、黒髪に丸みを帯びたボブカットで、他の人気キャストに比べるとそこまで整ったわけではない顔立ち。
巨乳ではあるものの、むっちりした体型であるため、モデルのような細さはない。
見た目だけでいえば、ウチのような高級店ではギリギリ採用されるかどうかの微妙なレベル。
だが、うちの店でもっとも稼いでいるのは、間違いなく彼女だった。
「今日も大人気だったね」
「い、いやいやいや…。そんなことないですよ」
「鈴羽はウチの稼ぎ頭だからね。この調子で頑張ってよ」
「ありがたいかぎりです…。もっとお客さんのために頑張りますね」
彼女の人気の秘密。それは、この謙虚さと顧客に対する奉仕心にある。
もともと業界未経験で入店してきた彼女は、講習の時点で素晴らしいものを感じさせてくれた。
男性に心から奉仕しようとする精神で、こちらからの要望をすべて受け入れてくれる慈愛のような包容力。
どれだけ人気が出ようと低姿勢を貫き続ける彼女は、瞬く間にNo.1に上り詰めた。
「こんな私にお金を払ってくれてるお客様のために、全力で頑張らないと失礼ですから…」
と彼女は言う。この業界で一番を取れる人間は、やはりこういう女性なのだと私は悟った。
「鈴羽、よかったら、このあとご飯でも行く?」
「えっ、あっ、いいんですか?」
こうして、彼女を連れて繁華街に向かうことになった。